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Enron Case

Enronのケースをスタディ・グループで議論。「Cases in Fin Mgmt」でのスタディ・グループ・ミーティングもこれが最後だ。Enronがいかに巧みにSPV(特別目的会社)を使って会計上のリック・ヘッジを行ったかを分析。取引がややこしいのでフローチャート化は必須。Enron、こういうSPVを何千とつくっていたらしいから、それを分析した当局はさぞかし骨折りだったろう(もちろん重要なものに絞り込んでいるとはいえ)。

しかしFraudは問題アリだとしても、元McKinsey パートナーでもあるCEO Jeff Skillingの判断 ―パイプライン会社からAsset lightなMarket Makerへのビジネスモデル転換 ― それ自体はなかなか合理的な判断だ。既に大企業となっていたEnronで、そういう大転換をやってのけてしまえるのはすごいなと思う。まず日本の大企業ではありえないような経営転換だね。まあそのビジネスモデルを追求しすぎたためにあーゆうことをやるインセンティブが強化されていったともいえるが・・・日本にいたときは正直、エンロンが何をしていた会社なのかもピンときていなかったので、いい勉強になりやした。

エンロンの元CEO、Jeff Skilling。彼のお兄さんはシカゴ(WGNチャンネル)で天気予報士をしております(かなり人気)
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上記のSPVを使った取引は内実はイカサマまがいだが、実に巧妙に設計されていた。ワルヂエというのはすごいですな。税金の授業で教授が前に言っていた、「法制度は必ずLoopholeができる。安月給で働く規制当局のチームが規制を整備しても、その一方では高給インセンティブ&一攫千金に目を燃やしたバンカー、会計士、弁護士たちの軍団が山となって稼げる抜け道を探して日夜血眼になっているんだよ」。

イカサマまがいということで、サブプライムについてチームで雑談する(笑)。政府、銀行、格付け会社、等々・・・誰が決定的な犯人なのか?「銀行が7割悪いな」「は?あんなありえない商品を買う方も悪いだろ」「たしかに、金融商品として購入していた投資家・銀行もよく分からず購入していた。でもそもそも住宅ローンを購入していた貧困層を責めることはできないだろう」

メンバーの1人、Cの友人が実はサププライム・ローンのセールスマンをやっていた話を聞く。まあ話を聞くとすごいね。ほとんど詐欺まがいでローンを押し付け、住宅を買わせる。当時こういう連中のインセンティブ・フィーはすごいから、もうメルセデスSクラス乗り回してブイブイ言わせていた(死語)そうだ。しかも現場ではみんなバブルの終末もある予期していて、最後にうまく売り逃げることだけ考えていた。コールオプションみたいなもんで、Excessive Risk Takingをとるインセンティヴが常態化していたわけですな。個人合理性の観点から言えば、ごく合理的な行動だが、もちろん人には迷惑かかります(笑)。TVドキュメンタリーでも見たけど、実際に聞くと「うーむ、畳の上では死ねないようなことやっているなあ(アメリカ人だから関係ないけど)」と思うようなことが山ほど。

Cの言った言葉が印象的だった。
「It's all about Greed, man」

  by helterskelter2010 | 2010-03-09 13:56 | Study

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