「キャリア」について ―②IF YOU DON'T LIKE IT, YOU WON'T BE GOOD AT IT

2. If you don't like it, you won't be good at it

コレは友人のダニエル氏が俺に語った言葉。彼はイェール大学在学中、優秀な同級生たちと同様、投資銀行でインターンをして、オファーももらったがそこには就職しなかった。その仕事が本当に好きになれなかったからだ。オファーを蹴った彼はTEACH FOR AMERICAに行き、教育という仕事にハマった。将来は教育ビジネスの立ち上げを狙い現在Chicago Boothでマネジメントとか戦略のコースを中心に学んでいる。

(1)自分にとっての「フィット」とは、「好きなこと」=(nearly equal)=「得意なこと」であること

ダニエルの言うように、できればやっていて好きになる仕事をしたい。そうすればその仕事もどんどん得意になり、成長しやすいからだ。自分目線から就職先を見ると、それが「フィット」なんだろう。当たり前でスミマセン。

好きだから得意なのか、得意だからますます好きになるのか、どちらが先かは分からない(多分両方アリ)が、嫌いなことがどんどん得意になったり、得意なことがますます嫌いになったり、というのはそんなになさそうだ。もちろん好きだったら必ず得意になるかというとそんなことは当然ない。それがゆえに「下手だけど好きなこと」は趣味にし、「得意なこと」は仕事にする、という二分法はもちろんリアルだしいいと思う。(趣味を仕事にしようとすると色んな悲劇が生じる可能性がある、がそれはまた別の機会に)。

俺は嫌いなことはなるべくやらずに好きなことをできるだけ沢山やりたい快楽主義人間。現実として仕事は生活の大部分を占めるから、できるだけ好きで得意なことを仕事にしたいと思う。なので、実務経験がSTRATEGIC ASSETだからといって、イヤなことを3年も我慢してやるのは本末転倒な気がする。

(2)「必要があればやれます」という程度ではCOMPETEできない

そんなに好きじゃない仕事をやっている人は、その仕事を本気で好きでやっている人には勝てない。
俺も前職では本当に色んなことをやらされ、中にはウザイ仕事もあった。「仕事だからしょうがねえか」と必要性に迫られてそれなりにアウトプットは出し評価もされたけど、その手の仕事は自分に向いていないとよく分かった。仕事を「選り好み」してイヤな仕事は避けろ、と言いたいワケじゃない。やらなきゃいけないイヤな仕事も当然あります(だから「趣味」を仕事にするのはオススメできない)。

一流プロフェッショナル・ファームのレベルだと、みんな優秀なので「必要に迫られて」やる仕事もある程度の水準で達成できるだろう。でも、そこから頭1つ飛び出るには、「好きで得意な」分野で成果を出すのが早いし現実的だ。自分の弱みを補填するよりも強みを圧倒的に伸ばす方が効率的。弱みを一生懸命になって補填しても、その分野をすでに強みとする人がいるわけだから、そこで競争優位は確立できない。

ダニエルみたいな優秀な奴は、投資銀行でもコンサルでもどこでもある程度まで余裕で通用できたと思うが、彼はそこで生き延びかつ成功するには本当にその仕事が好きじゃないとダメだ、と悟ったのだ。そんな彼にとっては教育ビジネスが最高の「フィット」だったわけだ。優秀な人は概して、優秀な人が行きたがる業界に引き付けられる。それは合理性もあるし良く分かるんだけど、それがゆえに行った先で埋没しちゃうリスクもある。あんだけ企業戦略では差別化が重要とみんな学んでいるのに、自分のキャリア選択となると一番競争が激しいセグメントに一斉大挙していく。

自分もある程度は器用で、どんな仕事もそれなりにうまく回せてはいたけど、MBAに来ると本当に比にならない優秀な奴が沢山いてヘコまされる。そうなると、自分の得意な分野にフォーカスして全ての時間・資源を投入しないと、本当のエッジが立たないことに気づく。

(3)「フィット」の探し方

既に述べたように、本当にやっていて、脳内の快楽物質が分泌しまくるような仕事じゃないと、長続きしないし絶対EXCELできない。自分の欲望に忠実であれ。

とはいえ、日々の雑務に追われていると、自分はそもそもその仕事のどういう特性が好きなのか分からなくなったりすることもある。俺は転職活動中、アホなせいか、しょっちゅうそういう状態に陥っていたので、判断するための座標軸が欲しくなった。自分の快楽原則。

こんなの↓
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自分がどんな特性に惹きつけられるかを、コレで判断する。超大雑把だけど、それがゆえに忘れにくい(経験上、要素が3つを超えると忘れやすい)。人によって要素は異なるだろうが、俺の場合はこの3つがイチバン重要。他にはワークライフバランスなんかもありえるのかもしれない。この3つをどのようにプライオリティづけるか考えることで、自分の志向をよりはっきり自覚できると思うのでありマス。

①INTELLECUTAL RETURN

俺にとってはコレが一番重要(したがってグラフ上の線が一番長い)。昨日より今日は俺はまた賢くなった、面白いことが分かった!と思える時がやっぱりアドナリン指数が最も高い。もちろんナニによって知的好奇心が満たされるのかは、人によって異なります。俺は具体的データを分析して、それを抽象次元にいったんファーンと上げてフレームワークをつくったりするのがどうも好きなようなので、そういう意味では戦略コンサルは向いているのかもしれない。抽象化ばっかり得意になって肝心のビジネスをまわせる実践力・判断力が疎かになるDOWNSIDEはあるけれど(経営コンサルと経営者の違い)。

②FINANCIAL RETURN

キレイごとはナシ。カネは大事。生活費稼ぐ意味でもそうだが、報酬は仕事をする1つの重要なインセンティヴでしょう。いくら稼げるかは、自分の仕事の市場価値を図る1つの重要な尺度であることは間違いないので、期待を大きく下回るリターンで仕事していたら、やる気も自信もでない。俺の前職は上記の「①知的好奇心」はそれなりに満たせたけど、日系企業ということもありリターンが非常に不満のいくものだった。MBAに来た目的の1つが、年収倍増だったし、実際それは実現できた。

もちろん「自分の視野を広げる」という高尚な目的(笑)もあったけど、MBAてのは高価な転職予備校みたいなもんなので、来ている大半の人の目的はキャリアアップやキャリアチェンジだ。ハード・スキル、ソフト・スキルを学ぶのもそれで自分の市場価値が高まる(と思う)からだ。この点、特に非米国人のガッツキぶりはすごかった。中国人の友達も自分の名前をSTEVENとか米国風の名前にして、がんがん米国企業にレジュメ送付していた。脱線するけど、彼らは本当に「稼ぐために」英語を学んでいるから、発音ヘタだろうがなんだろうががむしゃらに発言するね。目的意識が違うから、ジオスでちゃらちゃらやっていても実践英語が身につかないのは良く分かりますね。

このゲージが一番長いのは、トレーダーなどだろうか。短期のリターンを稼ぎ、アーリーリタイヤを目指すタイプなどは、この②の線が振りきれるほど長いだろう(笑)。

③SOCIAL RETURN

①と②は私利私欲の世界だが(笑)、自分の仕事が何か・誰かの役に立っている、という感覚がないと仕事を長く続けるモチベーションがなくなる(少なくとも俺は)。SOCIAL RETURNという言葉が正確か良く分からないけど、この指標はそういう意味。前職でやっていた調査の仕事でも、「こんなレポート作って、本当に役に立つのかな?社会的インパクトなんかあるんだろうか」て思っていた仕事は、本当に身が入らなかった。だからといって別に、社会に役立つ→よしNPOだ!という極端な話を別に想定していない(笑)。顧客のタメになる仕事をしている実感があればモチベーションはあがるもの。人間は社会的動物なので、社会的に評価されないと多分、不安になる。

①、②、③いずれも相互に完全に独立したものではないし、客観データではなかなか評価できない指標なので、結局主観的に判断するしかないのだが、それでも自分がフルタイムやインターンやりながら、上記の3つのニーズがどれだけバランス良く満たされているかを考えるのは有益だと思う。要は自分の欲望次元をなるべくクリアーにしておくことです。そうじゃないと目先の年収や、本当に自分がやりたいこととは関係ないことに振り回されちゃうと思いマス。
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  by helterskelter2010 | 2010-05-01 01:24 | Career

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