カテゴリ:Movie( 30 )

 

機内映画

2泊4日の強行軍で日本に行ってました。飛行機の中でケースを読み(泣)、シカゴに戻ったその日の夕方に授業を受ける。ビジネスクラスでも、13時間のフライトはきついス。さすがに13時間の間、ケースと論文を読み続けられるわけはないので、映画もたくさん観た。簡単な感想。

1.「パブリック・エネミーズ」:2009年、マイケル・マン監督、ジョニー・デップ主演

評価:5点中2点

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まあマイケル・マンの作品ですね。銀行強盗ディリンジャーをデップが演じる。ウチの近所にもデップ、クリスチャン・ベイル、コティヤールちゃんが試写会のために来てました。ウチの嫁(妊娠中のとき)もデップ見たさに映画館前でねばるも、耐え切れず挫折した経緯がある。1930年代のシカゴもでまする。正直、内容は凡庸。「HEAT」と同じです。追う者(ポリ公)と追われる者(銀行強盗)の間の緊迫感、冷酷なワルが女に出会い惚れる→ゆえに弱みができる→女とともに違う人生が歩めるかもしれない可能性→でもそうは問屋がおろさないよ、かっこよく悲劇的に終わるぜ、という展開は共通。女性の描き方の陳腐さもしっかり踏襲(笑)。コティヤールちゃんはかなりがんばっていますが。俺が好きなのはマイケル・マン監督の銃声に対するこだわり。映画館で爆音で聞くとたまりませんよ。「HEAT」て映画自体は凡作の部類に入ると思うが、中盤の戦争かと思われるほどの大銃撃戦、それとパチーノとデニーロのかっこよさだけで観れてしまいます。他方、この「Public Enemies」、銃撃戦も派手だしジョニーもかっこいいんだけど、クリスチャン・ベイルがいまいち(演技力の問題ではなく役にあってない)なのと、やっぱ30年代の設定なので銃撃戦の迫力はやや劣るので、魅力は落ちる。DVDで見る分には悪くないか・・・・

2.「Love Happens」2009年、ブランドン・キャンプ監督、アーロン・エッカート、ジェニファー・アニストン

5点中1点

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ラブコメ。ジェニファー・アニストンは40代とは思えない可愛さ。でも演技はフレンズのときとなんら変わりません。アーロン・エッカートはうまいですね。心に傷を持つ男がある女性に会う→しばしうまく付き合い、男は心をほだされはじめる→しかし本当の自分の痛いところを女性につかれ、激しい言い争いになる(組織論でいうストーミング段階)→しかし女性のおかげで自分を取り戻す→女性の元に行き、和解する→めでたし*2。体中の垢にまみれたストーリー展開。超リスク回避的な人はデートに使ってください。

3.「The Informant!」:2009年、スティーヴン・ソダーバーグ監督、マット・デイモン

5点中3点

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実話に基づいた、企業内部告発者の活躍と予想外(?)の展開。主人公は食品会社に勤める重役。競合他社として味の素なんかでてきて面白い。知的ブラック・コメディ。マット・デイモンの演技がすごい。FBI Informantの仕事にハマり、調子に乗り出す中年オヤジをうまく演じている。最近のソダーバーグ映画の中では出色なのでは。それでも3点と辛いのはそれほど笑えなかったから。チト内容は地味だし、日本ではそんなに売れなそう。
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  by helterskelter2010 | 2010-01-09 17:08 | Movie

THE WRESTLER

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2008年、ミッキー・ローク主演、監督Darren Aronofsky 。2008年のアカデミー賞ノミネート作品はほぼ観たが(DoubtとReaderは未見)、その中でも一番好きな映画かな。いや、アカデミー賞に関係なく最近観た中ではone of the best。コメディならトロピック・サンダーとIn Bruges(これはブラックだが)、サスペンスならChangelingが出色だったが、このThe Wrestlerは何か観た後も非常に心に残る、stickyな作品だ。逆にアカデミー作品賞受賞のスラムドッグ・ミリオネアは、面白いんだけど優れた企画モノを観させられてる感じで、「うまいなー」とは感心しつつもそのほかには特に心に残るものはなかった。

1980年代に一世を風靡したプロレスラー、Randy "the Ram" Robinsonだが、90年代にその人気は凋落。人気も肉体もピークを過ぎた中で、ニュージャージーで開催される単発の小規模イベントに出場する日々。収入も乏しいので、スーパーでのバイトで補う。ある試合の後、これまでの不摂生や試合でのダメージがたたったのか、心臓発作を起こしてしまう。ドクターストップがかかり、生きがいであったプロレスを離れざるをえなくなる。ストリップ・バーで仲良くなったストリッパーPam(この人の演技最高)のアドバイスもあり、長年連絡もしていなかった娘に再会し、過去の過ち(詳細は明らかでないがRamは家族を捨てて家を出たらしい)を率直に語り、許してほしいと言う。親子関係を完全に取り戻すとまでは言わない、ただ「俺を憎まないでほしい」と。

このシーン。俺は映画を観て滅多に泣いたりしないが、このシーンのミッキー・ロークの演技(というか素にちかいんじゃないか)には思わず涙腺が熱くなる。


しかし、最後には娘からも、そしてPamからも突き放され、「俺の生きる場所はここしかない」とプロレスに戻る。心臓に痛みを感じながらも、リングに上がる。スポットライトがまぶしくRamの背中を照らす中、大技"Ram Jam(ダイビング・ヘッドバット)"を繰り出そうとするところで、映画は幕を閉じる。

コレは男なら観ておくべき1本でしょう。かつてのスターであったプライド、プロレス以外しか行き場のない不器用な生き方、まったく悲哀に満ちているとしかいいようがない。撮り方が本当にうまくて、どれとして無駄なシーンがない。ステロイドを打ち、日焼けサロンに通い老いた肉体を奮い立たせるさま、家賃払うカネもないのにストリップ・バーでは大金出して「おつりはいらないよ」と言ってしまう見栄、80年代の栄光が忘れられず音楽もガンズがかかると心躍ってしまうダサさ(笑)、心が傷つくと古巣のプロレス団体に戻って仲間たちの癒しを求めてしまう弱さ。そう、全編にわたって、高倉健先生の「自分、不器用っスから」がサブリミナルに所狭しと練りこまれている(笑)。しかし何よりきいているのがミッキー・ロークの飾りのない演技だろう。ミッキー自身がすでに落ちぶれたスターであり、仕事も友人もなくなったどん底の時には「飼っていた犬だけが俺の友達だったよ」という経験をしている彼だからこそ、心に迫る演技をできたのだろう。その意味でコレは一種のドキュメンタリー・フィルムである。

当初は製作側の意向でニコラス・ケイジを起用するようにプレッシャーをかけていたようだが、そんなのは全くもってBULLSHITだ。監督はよくミッキー起用を押し通した、あっぱれ。
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  by helterskelter2010 | 2009-12-26 01:35 | Movie

TROPIC THUNDER

2008年、ベン・スティラー製作・監督。
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コレに大笑いしてしまうのは、俺もアメリカのセンスに慣れてきたからなのか・・・すごいのはロバート・ダウニーJrとトム・クルーズの演技。トム・クルーズは、これまで俺が見たどの主演作よりもいい演技している(笑)。Florida/T-Painの「Low」に合わせて踊るシーンで、思わず吹いた。

途中から見たらこの2人がどの人物が分からないほど。特殊メイクされてますが。ロバートがなんと黒人役ですよ。CRAZY!よくこの役引き受けたなあ。


これはラストシーン


内容は映画名作のパロディとバカシーンの連続。汚い言葉や実にきわどい表現が乱れ打ちなので、良い子は見てはいけない。ここまでアホを貫徹すれば立派。

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  by helterskelter2010 | 2009-10-11 12:54 | Movie

WHERE THE WILD THINGS ARE

「かいじゅうたちのいるところ」の映画化。スパイク・ジョーンズ監督というところで、チョイ期待。近所のIMAXに観に行こうかな。モーリス・センダックの絵本は、小さい頃の大フェイヴァリット。部屋から異世界の島に流れつき、そこに住むかいじゅうたちの王となる少年。でもやがて家が恋しくなり・・・と、子供の妄想力をたきつけるツボをおさえまくり、また最後にはホッとする、まさに「寝るときに親に読んで欲しい絵本NO.1」。柔らかなタッチの絵がまた素晴らしい。親しみやすいが、ちょっと怖いかいじゅうたちの姿は一度見たら忘れらない。

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子供の持つ原初的な憧れや恐れを、幻想的なストーリーと絵で表現している名作。大人が読んでも、いろいろとインスピレーション受ける本です。

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  by helterskelter2010 | 2009-10-02 23:38 | Movie

THE NAMESAKE ―名付けは因果なコト

鼻水がたれまくる。風邪のような体のだるさはないので、何かのアレルギー反応っぽい。花粉症だろうか。WALLGREENSでクラリチンを購入するか。この薬、日本だと処方箋が必要だが米国では普通に市販されている。

さてまた映画紹介。「THE NAMESAKE」。2006年、ミーラー・ナーイル監督。ピュリツァー作家ジュンパ・ラヒリ原作。

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米国に移民したインド人夫婦。夫は米国留学しているので問題ないが、妻はベンガル育ちで米国のカルチャー、価値観にどうしても馴染めない。ずっとサリーを着ている。やがて子供(息子1人、娘1人)ができるが、彼らはのっけから米国育ちなので無問題。むしろインドのカルチャーについていけない。「Hey guys, no big deal!!」と軽く言う息子ゴゴールに、母親は顔をしかめる。

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この息子ゴゴールの名前の由来を軸に、物語が進む。だからタイトルはNAMESAKE(その名をもらった人、由来)。ゴゴールってのは、日本語発音でいうところのゴーゴリ。「外套」で有名なロシアの大作家ですね。ゴゴールの父親は自分の人生の転機となったある事件から、実に重たい意味をこめて「ゴゴール」という名をつけた(ここらへんネタバレになるので詳細は省略)のだが、息子は気に入らない。ゴゴールなんて米国の学校で名乗ったら、笑いものにされるからだ。なので大学に入ると名前を「ニック」に変えてしまう。しかし後に父親の真意を知り、ゴゴールも変わってゆく・・・・

というストーリーだが、途中の山を越えてからは話が冗長になるし、とにかくゴゴールの結婚相手となる「実にいいオンナ」(という設定)の女優がえらい不細工なので、観ていてつらくなる。俺的には、見所は前半の母親のカルチャーショック苦悩ぶりと、親子のすれ違いエピソード、そして途中の事件をきっかけにゴゴールが変化するところまでかな。ちなみに母親役の女優はめちゃキレイ。ベンガルのいろんな風習なんかも見られて面白い。まあ、どこまでリアルなのかはインド人の友達に聞いてみないと分からないけど。

しかし子供の名付け、ってのはなかなかに因果なものだなあと感じる。昔、俺のゼミの教授は「子供に意味の明確な名前をつけるのは実に危険ですよ」とか話していたが、なんとなく分かる気がした。とくに漢字だと意味を込めやすいよね、表意文字なので。逆にアメリカ人だとジョンとかアダムとか、異常に平凡な名前をみんな躊躇なくつけているのは驚くけど。どんだけジョージが多いことか(笑)。

自分の子供にはいろいろ期待したくもなるけど、彼の人生は彼が生まれてから彼自身で定義づけていくものなので、あんましこちらからディープな思いを込めた名前をつけるのはやめよう。俺は音キチガイなので、意味よりもサウンドがかっこいい名前を優先的に探しているが・・・

そういや、インドでものすごいトラディショナルな考え方に沿うと、子供の名前は父親方の姉妹(つまり叔母さん)がつけるものらしい。姉妹がいなければ父親方の家族の誰か。俺のインド人の友人は自分の名前が大嫌いで、今でも叔母さんに会うとその文句を言うそうだ(笑)。

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  by helterskelter2010 | 2009-06-18 08:04 | Movie

CASSANDRA'S DREAM

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「CASSANDRA's DREAM」。2007年、ウディ・アレン監督。ウディ・アレン「ロンドン3部作」の最後。キャストがなかなか。ユアン・マクレガーがコリン・ファレル主役の兄弟役で、トム・ウィルキンソンが彼らの叔父役をつとめている。スコットランド、アイルランドなまりの英語がいいねー。派手な演出はなく、基本的に舞台のように役者たちの会話中心で進んでいく。まあ例のウディ・アレン節です。

最初の見所は、雨の中、木の下で兄弟と叔父が話し合うシーン。ユアンは事業をやりたくて、コリンはギャンブルですったカネを返済したくて、裕福な叔父にカネの無心をする。すると叔父から逆に頼まれごとをされる。彼はビジネス上の(おそらくイリーガルな)トラブルを抱えていて、彼のビジネス・アソシエイトが彼を告発しようとしている。それが公になったらビジネスは破綻、ムショにぶちこまれるハメになる。ビジネス・アソシエイトの口を何としてても封じなければいけない。「We must get rid of him」。つまりアソシエイトを殺ってくれ、と兄弟に頼むのだ。

このシーンの緊張感が素晴らしい。叔父はテンパってるし、コリン・ファレルは「そんなことはできない」と混乱する。野心家のユアンだけが、落ち着いて事態を理解しようと叔父に質問しつづける。後半は、殺人に乗り気のユアンと、どうしても踏み切れないコリンのやり取りが多くを占める。もちろん最後には悲劇が待っている(笑)。

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本作のコリン・ファレルはよいねー。情けないダメ男ぶりがぴったりだし、精神薄弱していくところなんかガチに見えるくらい。「ハの字」に曲がる巨大な眉毛が、その威力を如何なく発揮している。出身地のアイルランドなまりで話しているからか、非常に演技が自然だ。彼は「マイアミ・バイス」みたいなマッチョ系より、こういう役のほうがハマるんではないか。

そしてサントラを手がけるのはミニマル・ミュージック御三家の1人、フィリップ・グラス。もちろん大ファンだ。波のように寄せては返す旋律が延々と繰り返される「グラス節」が、劇中の兄弟の不安な心理をよく表現していて、観ているこっちもハラハラしてくる。
関係ないがグラスの作品でイチバン好きなのは「Koyaanisqatsi(コヤニスカッティ)」だね。80年代のカルト映画のサントラだが、映画とともに、神作品だ。映像と音楽の融合は、キューブリック・レベル。コレを学生時代に観た時の衝撃は忘れない。



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  by helterskelter2010 | 2009-06-16 01:06 | Movie

INTO THE STORM

試験勉強しながらも、自宅にいるとついついHBO(映画チャンネル)で映画を観てしまっていた。そんな中、よかった作品を紹介。

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「INTO THE STORM」。2009年(ホヤホヤ!)、Thaddeus O'Sullivan監督。第二次大戦~戦後ちょいの頃までのチャーチルを描く伝記映画。「THE GATHERING STORM」(大戦直前までを描く)の続編にあたる。日本でやってるのかな、コレ?

チャーチル役のBrendan Gleeson、頑張ってる。正直、顔は全く似ていないんだが、しぐさとか発音をうまくマネている。RememberとかSurrenderとかいうコトバ、チャーチルは後ろの「~er」を強く発音するクセがあるのとか、すげえそっくり。俺はチャーチル・ファンなので、過去のスピーチはかなり聞いているが、実に似ている。

英雄としての一面的な描き方ではなく、家庭では全くの子供な様子(妻のClemmieには全く頭が上がらない)も見せる。私生活と政治家としての部分、ちょうど半々見せている感じか。気取ったイギリス発音の会話を聞いているだけで俺にはたまらない。終戦近くになって、凋落するイギリスに対して、超大国化するアメリカとロシアの覇権が明らかになってくる。気丈にふるまうチャーチルだが、もはやルーズベルト大統領やスターリンから蚊帳の外に置かれ始める、そこらへんもうまく描いている。イギリスびいきとしては腹立つシーンだが(笑)。

実際にチャーチルが行ったスピーチも多々再現されており、見所のひとつ。やっぱりこの人はスピーチ、文章の才能があったのだなあ。なんか聞いているだけで気分が鼓舞されてくる。シンプルなメッセージを繰り返し国民に訴え、「国としてのまとまり」を崩さないこと、それが求められた時代。当時はイギリスもハンパなくピンチだった。平時ではなく緊急時のリーダーとしては、過去のイギリス首相の中でも抜群の適性を持っていた人だと思う。

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  by helterskelter2010 | 2009-06-14 13:05 | Movie

WALL STREET ―欲望はいいことだ

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TVでやっていたのでついつい観てしまった、オリバー・ストーン監督「WALL STREET」(1987)。マイケル・ダグラス扮する投資家(投機家、か)ゴードン・ゲッコーと彼に憧れるブローカーのバド・フォックス(チャーリー・シーン)を軸に物語が進む。なんといってもゲッコーの「GREED IS GOOD(欲望はいいこと)」スピーチが有名か。



スピーチの内容自体は別に衝撃的でもなんでもないんだが、自信満々の立ち振る舞い・コトバづかい、「そこまで言っちゃいますか」的なノリ、それにマイケル・ダグラスの脂っこさ(笑)が絶妙にマッチして、非常に印象深いシーンとなっている。マイケルは正直、大根役者だと思うが、この作品に関しては「ゲスくて貪欲な金持ちヤロウ」がマジでハマっている(演技をしていないからだ、というウワサもあるが・・・・・)。対照的に青臭さの抜けない、でも野心に燃える青年を演じるチャーリー・シーンの演技もぴったり。

構成としてはよくあるパターンで、「主人公、大物に憧れる」 → 「大物に気に入られる」 → 「主人公、イケイケで成り上がっていく」 → 「しかしやがて大物のやり方に疑問を持ち始める(多くの場合、正義感とかモラルとかから発生)」 → 「大物と対決」 → 「大物に一矢報い、自分を取り戻す」
というところか。前半は師弟モノ+サクセス・ストーリー、そして後半は「父殺し」のテーマで押していく展開。まあ正直、前半でバド・フォックスはゲッコーに取り入るために金融スキルとは全く関係ないスパイ行動までやっていて、まあ逮捕されてもしょうがないでしょー、って思ってしまうのであまり同情できない。

展開は陳腐だし、女優は全くかわいくない、ファツションはダサい(コレはしょうがない)、などなど文句はあるけれど、やっぱりゲッコーを見る価値はある(ダグラスは本作でオスカー獲った)。冒頭のGREED IS GOODスピーチも面白いけど、他にもなかなかに強烈なセリフがある。例えば(ウロ覚えなので容赦):

「年収4千万くらいで、ファースト・クラスに乗れることに満足しているレベルのことを言っているんじゃない。俺が言っているのは100億円単位だ。プライベート・ジェットを自分で持てるレベルだ」

「HBS卒業生みたいなエリートに用はない。俺がほしいのは、貪欲で、感情をもたないヤツだ。友達がほしければ、犬を飼え」

「俺は価値を生んではいない。価値を所有しているんだ」


よくもまあ、という感じだ(笑)。でもマネーだけを純粋に追求すれば、こういう人物像にクリスタライズされるんだろう。社会派のストーン監督は、もちろん80年代の行過ぎた短期利益追求、過剰なマネー資本主義(マネーのない資本主義なんてあるんでしょうか。まあいいや)を批判するつもりで本作を撮ったんだろうけど、実際はダグラスの怪演もあり、ゲッコーに憧れて投資銀行に入る若者が増えるなど、皮肉にもちょっとしたゲッコー・ブームが起こったようだ。

ゴードン・ゲッコー。サスペンダーが素敵?
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あと、どうでもいいけどゲッコーのことを「投資銀行家」と紹介している記事とか良くみるんだけど、本作見るとゲッコーは不動産や企業を買いあさるバイサイドだよね。インベストメント・バンカーではない(むしろバンカーを使うほう)。ホント、「投資銀行」というコトバがでてきたら気をつけてください・・・当初はゲッコー役にリチャード・ギアも検討されたようだけど、彼も「プリティ・ウーマン」でバリバリLBOをしかけるファンド野郎だったね(笑)。
80年代の闇をよりスタイリッシュ、かつブラック・ユーモアでお届けするのは「アメリカン・サイコ」(2000)。今でもこの作品がクリチャン・ベイル(コチラはバンカーの役)の最高作だと思う。

さて、このWALL STREET、なんと続編が予定されているよう。ゲッコーのその後を追うストーリーだそうだ。そして時代は現代なので、ゲッコーがやるのはヘッジ・ファンド!!うーむ、企業買収がからまないとドラマティックな人情劇を演出しにくいんだけど、そこらへんをどうするんでしょう。

映画を見終わった後、あわててTax & Business Strategyの課題のケーススタディを仕上げる。妻に、「何のテーマ?」と聞かれて、「ああ、なんか数十億ドルの節税をいかに実現するか、ていうケース」と答えると、「また、カネ・カネ・カネですか!それしか頭にないのか!!」と憤慨される。今学期はファイナンスとアカウンティングの授業しかとっていないからね、スミマセン・・・よく分からない罪悪感(笑)。

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  by helterskelter2010 | 2009-05-30 15:16 | Movie

SCENT OF WOMAN ―PACINO'S SPEECH

Chicago Boothのリーダーシップ研修、「LEAD」でも教材として使用したが、この映画のクライマックスでパチーノがぶちかますスピーチは本当に鳥肌モノだ。過剰な演技で他を圧倒し、画面いっぱいに存在感を放つパチーノの得意技が功を奏した作品(時には失敗もしていますが・・・)。ゴッドファーザーの抑えた演技もパチーノの魅力だが、こういうハイ・エナジーぶちかまし系の演技をしているときのパチーノは本当に魅力的だ。(他だと「スカーフェイス」が有名かな)。

動画4分過ぎたあたりからのくだりが特によい。「どの道が進むべき正しい道かは、俺は知っていた。知っていたが、その道を選ぶことはしなかった。なぜか?その道はあまりにも苦しい道だったからだ。」

I'm not a judge or jury. But I can tell you this: he won't sell anybody out to buy his future!! And that, my friends, is called integrity! That's called courage! Now that's the stuff leaders should be made of.

I always knew what the right path was. Without exception, I knew. But I never took it. You know why? It was too damn hard.

Now here's Charlie. He's come to the crossroads. He has chosen a path. It's the right path. It's a path made of principle -- that leads to character. Let him continue on his journey.



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  by helterskelter2010 | 2009-04-19 01:16 | Movie

VANISHING POINT ―the Last Beautiful Free Soul on this Planet

アメリカン・ニュー・シネマは俺の青春だ。その中でもかなりのfavouriteである、「Vanishing Point」がたまたまTVでやってた。
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ロック、ヒッピー、ゲイ、ドラッグ、当時のカウンターカルチャーの要素をちりばめたB級ロード・ムービー。1970年前後は、本当にこういう雰囲気だったんだろうか。70年後半生まれとしては、映画・音楽・文学を通してしか分からない。こういう「もう何も信じられない、俺は荒野の中ひとりでゆくぜ」的な(笑)、魂の放浪を思わせるような作品は、特に20代あたりに見ると一気にささる。サリンジャーは若い頃に読んだほうがいいのと同じ。でもこの手のものに影響されすぎると、俺のように学校に行かなくなります。

実際、今この作品を見ると、「かっこいいなー」とは思うけど、昔ほど心は動かされない。何度も見ているからというのもあるが。最後のKowalskiの突入シーン。彼はまさにVanishing Pointめがけてアクセル前回で突っ込む。ちなみに妻はこの手の作品は理解不能。「何で死ぬの?なんなのコレ?どこが面白いの?」
「いや、自分が何であるかではなく、何をするかということが自分を定義づけるんですよ。KowalskiはとにかくVanishing Pointめがけて走ることが彼のレゾン・デートルになったんですよ、まさにサルトルの実存主義でいう、不条理な行為ですよ」とか、分けの分からないことをいって説明してもムダ。俺もしゃべってて何言ってるか分からん(笑)。この手の作品では別にラストで死ぬ必然性は別にないし、そこに論理的な根拠を求める必要はないんだが、いざ聞かれるとこちらも困る(笑)。「アンフェタミンをやりすぎてたんだろ」ってほうが現実的か・・・・
「イージーライダー」、「俺たちに明日はない」などの、アンチ・ハッピー・エンドの流れにのっている部分もあるだろう。


ちなみにPrimal Screamが本作品の新たなサウンドトラックを作る、というテーマで出したアルバム「Vanishing Point」は、収益的には微妙だったらしいが俺はかなり好き。「Kowalski」って曲で元ストーンローゼスのマニがうなるように弾いているベースラインがしびれる。


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  by helterskelter2010 | 2009-03-28 03:45 | Movie

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