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Microeconomics Day one

ミクロ経済学の授業。非常に基本的な内容だが、分かりやすく示唆に富む授業。一応、当方、経済学の修士号を有してはいるのだが、それでも得るものは多い。

全体を貫く思想的スタンスが明確。さすがフリードマン、ベッカー等の新古典派の雄を擁した大学と思わせる。つまり、
1.人間は合理的に行動すると想定する
2.取引は価値を生む(商品・サービスの総量が不変でも、取引が行われることで皆の効用が上がる)
3.市場をリスペクトせよ

特に3。「市場の背後には多様で、膨大で強力なインセンティブが働いている。もちろん、市場を規制しなければならいこともあるかもしれない。でもその場合でも、市場の力を過小評価してはいけない。You gotta know what you're doing.」

これが正しいかどうかは別にして、1つの明確なスタンスに基づいて理論を説明されるのは非常にわかりやすい。結局、経済学も1つの「考え方」なので。これが曖昧で、何となくテキストをなぞるようにダラダラ説明されるような講義だと、議論も沸きにくいし、そもそもその理論のよって立つ前提が分かりにくいので、こちらの理解の妨げにもなる。

ああ、こういう講義を東大の学部時代に受けたかったな・・・学部時代は結局教授の話していることがチンプンカンプンで、仕方なく独習で済ませていたもんな(単に出来が悪いからだったかもしれないが)。しかも新古典派、マル経の本をまぜこぜに読んでいたから、よけい混乱した(笑。

理論の説明も、数式に偏ることはない。てゆうか数式だけ羅列するのは、説明したことにならない。数式もある考えを表すツールに過ぎないので、直感的な理解を促すためには、言葉や、絵や、グラフ等々の多様な表現方法で説明できるようでなければならない。それができないのであれば、それは分かっていない証拠。これはノーベル賞候補のK.マーフィー教授の講義でもそうらしい。彼の講義では数式はほとんどでない。簡単なグラフを書くくらい。あとはケースによる説明、学生との議論を通じて理解を深めていくやり方。すげえソクラテス的ですな。

学生がつまづきがちな初歩的な疑問・勘違いについても、先回りして解いてから説明を進めてくれる。俺も東大時代につまづいたんだけど、需要関数。関数表記だとQ=P(P)なんだけど、なぜかグラフだと必ずy軸を価格(p)にしている。つまりP=P(Q)になっている。なんでグラフだと逆関数なんじゃ。これだけで投げ出したくなった記憶がある。グラフのy軸を価格にするのは、偉大なマーシャルおじさんがそうした方がいい、って言ったからなんだって。マーシャルおやじ、100年後の俺らに迷惑かけるな。

需要・供給分析を知らないと解けない現実の問題もあるんだよ、と色々な事例を紹介してくれる。これは刺激的。理論を教えながらも、常に現実問題へ適用した場合の意義についても気づかせてくれる。抽象と具体の間を行ったり来たりする。紙に2つの線を書くだけでこんなに色々なことが分析できるのか、と非常に楽しくなる。分かっているつもりだったが、眠っていた脳の部分を呼び覚まされた感じ。

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  by helterskelter2010 | 2008-09-30 07:33 | Study

Deutsche Bank MDのお話 ―今投資銀行に就職することは、馬鹿げたことか?

朝5時半に起きて、学校に向かう。7時半からドイチェ・バンクのMDの講演を聞くため。
お題が「金融危機が投資銀行ビジネスに及ぼす影響について」なので、逃す手はない、とありえない早起きをがんばってする。
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内容は、以下の4点。
1.金融危機―いったい何が起こったのか?(危機に関するoverview)
2.今後金融業界はどこに向かうのか?(課題と機会の整理)
3.投資銀行モデルの今後(2.のサブセクションか)
4.MBA recruitingに関するアドバイス

MDがわざわざGSBまでやってきてくれるのは、上記の4.がからむから。つまりは半分はドイチェ・バンクの宣伝を兼ねています。まあ、さすがに突っ込んだ議論は(MDの立場上もあり)それほどなかったが、現在の状況を整理するいい機会にはなった。

ドイチェはダメージも相対的に軽微だから、この機会に優秀な人材を採用して一気に伸びよう、ということなのでしょう。
全く同感だったのは、投資銀行業務が死んだわけではない、ということ。依然として企業は資金調達をしなければならないし、(市場が回復すれば)M&Aも戦略的に必要になってくる。いわゆる伝統的な投資銀行部門のニーズがなくなったわけではない。
ただ、この部門は利幅が大きくないし、フィーも低減傾向にある。問題は、稼頭だった自己勘定投資、トレーディングにこれまでのように頼れなくなったことだ。これは以前ここのエントリーでも書いたとおり。天下のGS、MSもUniversal Bankモデルに転換することで、これまでのような高いレバレッジは維持できなくなる。レバレッジが低くなるということは、とれるリスクが低くなるということで、それはつまり利益率の低下を意味する。(Universal bankになるのは今だけで、あとでまたシレっと業態を戻すんじゃないか、という話もあるが・・・)

この点に関しては、特に意義深い見解を聞くことはできなかった。そりゃそうだ。この状況でまたあれほど儲かる方法が分かるんだったら、もうやってる。GSやMSにはそれこそ利潤をだそうということには異常な能力・意志を有しているBest & Brightestな人たちが集まっているから、そんな連中が何か儲かる新しいシステムを考えだす可能性もあるだろう。

いずれにしても、MBA生にとっては「投資銀行への就職を考えることは馬鹿げたことではない。しかし、挑戦するのは多くても3社までにしておけ。それもマーケットリーダーに絞れ。ドイチェ・バンクをもちろん含む」だそうですよ(笑

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  by helterskelter2010 | 2008-09-30 07:03 | Research

I'm the Firestarter

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超久しぶりにFIRESTARTER聞きながらLake Shore Drive(通学に使っている高速道路のような道)を走っていたら、なんか調子良くなって気づいたら120km/hくらい出していた。法定速度70km/hなのに。やべえやべえ。まだ国際運転免許しかない状況でつかまったらめんどくさい。

10年以上前のトラックだが、今聞いてもいいもんだ。ただの音が、人にアクセルを踏み込ませる力を持つなんてすごいよ。空気の振動が、人の耳に入ってどう脳でレセプトされているのだろうか、などと考え事してたら今度は車線を外れそうになった。やべえやべえ。

ロック雑誌からもパンクとテクノの融合だ、ロックとテクノの融合だ、あげくのはては「デジロック」なんて恥ずかしい名前つけられたけど、あれ以降この手の音でそんなに面白いのがないのは残念。リサーチ不足なのかもしれませんが。

今日の午前中はたまった洗濯をさばきつつ、ミクロ経済学・統計の予習をこなす。毎朝7時には起きて勉強している、超健康&優良な生活。学生時代の俺からみたら信じられないだろう。今学期は授業を3つしかとっていないし、どれもそれなりにバックグラウンドはあるので勉強はそんなに大変じゃなさそう(今だけ?)。これだとあまり成長できないな、ということでソーシャルイベントや学校活動にも少し力を入れることに。Cohortで11月に10分ちょいのフィルム映像をつくるんだが、そのアイデア出しをするCreative Committeeにとりあえず立候補しといた。

また、他方でアメリカ人の文化をもっと知ろう、ということで課外活動も開始。アメリカ人のビジネスのやり方を学び分析する、というのが今回の留学の目的の1つなので、これは大事だ(文化はビジネスに影響する、とすれば)。というわけで、今日の午後はRandom Walkでも一緒だったC君によるアメリカン・フットボール解説講座を受けに行った。

フットボールをTV観戦しながら飲む、非常にシリアスな講座(笑
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ディズニー資本系のESPNというお店。スポーツバーと言えばいいのか。野球、バスケ、アメフトなどのビッグゲームをデカイ画面で映す。客は酒のんだりメシ食ったりして観戦する。ゲームセンターもある。スポーツ好きな連中は、週末ここで一日中過ごすんだよ、とC君。

チューインガムの包装紙で作られたスタジアム。かわいい。
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シカゴ・ブルズのグッズ。今はあんまり強いチームじゃないらしい。
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ごくごく基本的なことから、丁寧に教えてくれるC君。集まった5人の勉強家たちは、画面に映される試合を見ながらビールをあおる。
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小さい子供も、お気に入りのチームのユニフォームを着て店に来ていた。パパに連れられてこういうところでアメフトを見て、大人になったら同じように彼女を連れて来るんだろうな、と思った。同じCohortの連中でも、アメフトにイカレている奴が少なくない。たしかにプレーしている選手たちはカッコいい。過剰な男性ホルモンがでている。学生時代はアメフトで活躍して、一流アイビーリーグを卒業してエリートになる、ていうのが1つの憧れのpathらしい。

が、プレーがすぐ止まるのが俺には耐えられない。サッカーみたいに、華麗なパス回しが続くことはない。パッと動いて、すぐに止まる。モーションが寸断されるから、見ているこちらの注意力も切れる。でも周りを見るとえらい盛り上がっている。うーむ、もう少し経験値をためないと楽しめなさそうです。

そしてルールがいろいろ細かくて、今回ですべて理解できたとは言い難い。まあ、途中で酔っ払っちゃってC君の丁寧な解説を聞いていなかったからだけど(笑。C君、すまん!それでもC君、興がのったのか第2回も開催してくれる予定なので、しばらくアメフト研究は続きそうです。

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  by helterskelter2010 | 2008-09-29 09:39 | Private Life

歓迎会

Chicago GSB 日本人2年生による歓迎会に参加してきた。非常に個性的で楽しい人たち。面白いのは、私費の方はみんなアメリカでサマーインターン、就職を探していること。逆に外国人だが日本からアプライして合格した人が、日本で就職しようとしている。したがって日本人2年生はほとんどボストン・キャリア・フォーラムの経験がない。

アメリカのビジネスには興味あるけど、俺はアメリカでは生活したくないのでその選択肢は全く考えていなかった。他の日本人1年生同期でも、アメリカで就職しようという人は、今のところいない。

当然、アメリカでのジョブサーチは日本におけるそれよりもはるかに大変。チャレンジングな先輩たちをリスペクト。

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  by helterskelter2010 | 2008-09-28 13:53 | Private Life

ビジネスと教養

今日は会計の授業を初めて受けた。ごく基本的なことから始めるので、なんてことはないが、講師は悪くない。でも中間試験がボストン・キャリア・フォーラムの日程とぶつかることに気づき、別のスロットの講義に変更することに。

日本人の就職活動はここらへん、特殊なので要注意。こればっかりはHBSやMITの人がうらやましいな。ボストンまで飛んで3泊するの、金銭的にも時間的にも結構な負担ですわ。

さてChicago GSBはシカゴ大学の一部になるわけで、ロケーションもシカゴ大学の敷地の一角を占めている。少し歩けばシカゴ大学の他の学部、たとえば神学部や法学部の校舎がある。これらの校舎は相当に古く、歴史的建造物の趣がある。GSBの建物だけやたらモダンで、他に比べて浮いている印象は否めない。
俺はこういう古風な、エスタブリッシュされたアカデミズムの香りにどうしても惹かれてしまう。図書館にずらりと本が並んでいるのを見ているだけで何か気持ちが少し高揚する。日常生活だけからは決してうかがい知ることのできない、何かすごい知的資産が隠されている感じがする。なんか学問というものに対する畏敬の念。だから「そんなカネにもならんこと研究して何が面白いのか、意味ないだろ」という風にはなれない。実際、大学院ではカネにもならんマニアックな研究してたし。

なんかビジネススクールにいると、ついつい全てをビジネスの文脈で語ろうとしてしまうクセがついてしまいそうで、ここらへん注意しようと思っている。今読んでいる「Ahead of the Curve」でも、HBSに対する批判として「ビジネスマン至上主義」をfosterしすぎる点が挙げられていた。

今日も天気が良い。キャンパスの芝生にはまばゆい光が注がれる
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Peaceful
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岩波文庫の創始者、岩波茂雄は、岩波文庫から本を出版する予定の大学の先生がいると、その先生の講義を事前に何度か聴講していたらしい。哲学とか小難しい内容でも、一番前の席に座って必死に講義を聞いていたそうだ。専門外で全く分からないことでも、何か学問のすごさに対する畏敬の念があったのだろう。正直、学生運動の頃に盛り上がっていた(らしい)教養主義は好かないけど、こういう話はなんか好きなんだな。たしかこのエピソードは、京大の教育学教授、竹内洋先生の「教養主義の没落」(中公新書)にあったと思う。すごく面白い本。オススメ。

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  by helterskelter2010 | 2008-09-27 09:01 | Private Life

ビール飲んでりゃOKってこと

MBA生らしい、知的だがふざけたメールが俺のとこにまわってきたので紹介。

If you had purchased $1,000 of Delta Air Lines stock one year
ago, you would have $49 left. With AIG, you would have less
than $15 left. With Fannie Mae, you would have
$2.50 left of the original $1,000.. But, if you had purchased $1,000 worth of beer one year ago, drunk all of the beer, then turned in the cans for
the aluminum recycling REFUND, you would have $214 cash. Based
on the above, the best current investment advice is to drink heavily and recycle.

投資回収率は良くても、腹周りにダメージがきそうな気もするが・・・

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  by helterskelter2010 | 2008-09-27 08:28 | Private Life

Wasabi Night!!

今夜はシカゴ・ダウンタウンにある和食店「銀座」で食事。
そろそろみんなアメリカの食事にうんざりして、日本食に飢えているころだと思い、俺と同期のもう1人で企画した「Wasabi Night」。

Dear folks,

Tired of hamburgers? Sick of Mexican cuisine?
American food is OK, but we don't need to hang up with it everyday.

So, *** and I thought it's about time to remember that we've got something else. Something BETTER and HEALTHY.
You know what we mean?

こんな案内を出したら、11人集まってくれた。そのうち外国人も4名。

予想以上に多様な日本食が食べられる。寿司はもちろん、天ぷら、うどん・そば、渋いところだと、ししゃもや焼きはまぐりまで。結構イケました。

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中には変なメニューもあって、「わさびシューマイ」てのがあったので、笑い半分で注文。ボディビル野郎ことI君が一口で平らげたが、あまりのワサビの濃度に憤死。
目に涙をため、トレーニング中よりも多量の汗をかいていた。合掌。

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  by helterskelter2010 | 2008-09-26 12:52 | Private Life

物事を「外」から見るために

マネックスの松本社長のブログで、「中と外」をうまく使い分けていこう、という記事がある。
大きな転換を示す出来事が起きていて、自分がその渦中にいなくても、その「中」に自分がいるように想像して、来る変化に備える。
あるいは、自分がそのような変動の渦中にあるときは、近視眼的な見誤りをしがちなので、そこから一歩外に出た視点で考える。

変動とか大きな出来事というのは、例えば俺にとっては、今の金融危機や、まさに今Chicago GSBの「中」で経験しているMBA留学。金融危機については、今俺自身が関係者として渦中にいるわけじゃないけど、バンカーや教授、評論家等々の生の声にさらされているし、就職先として考えている点で、どちらかというと「中」に近い位置にいる。

「外」の視点に立つ、というのは今自分が置かれた状況を相対化して見てみる、ということに他ならない。でもマジで相対化して見るのは相当、難しい。MBAは今on goingで体験しているし、金融危機にしたって自分の今後の生活に影響するので、どうしても楽観的に考えてみたくなる。
どうすればいいか?やっぱり第3者の考えや声に耳を傾けるのがいい。自分の会社のことについては何でも分かっていると思っている、でも自分の意思決定が間違っていないかどうか不安だ、そういう経営者がコンサルを雇うのも、「外」の視点が欲しいから、という面がある。

俺はコンサルを雇うほど金がないので、詳しい人へのインタビューと文献調査でまかないます。てゆうかコンサルやっていた時も、基本的に情報収集はこの2つ。後は他国の事例、過去の事例をベンチマークして、今の状況との共通点・相違点を明らかにしたうえで、使えそうなインプリケーションをいただく。

てなわけで前置きが異様に長くなっちゃったが、以下の2冊購入してみた。

ジョージ・ソロスの本。遅まきながら。
薄いし読みやすそうだし、とあるバンカーの方から読んでみろや、と言われた。投資家側の考えを知るのにも良さそう。
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Daily Telegraphの記者によるHBS体験記&HBS批評。
実体験に基づいているのがミソ。そしてイギリス人(バングラデシュ生まれだがイギリス育ち)なのがミソ。イギリス人は日常生活、常に「外」の視点に立って自分の状況を風刺する、というアメリカ人からしたら感じの悪い趣味を持っています。俺はこの手の批評精神が大好き。
ChicagoGSBの体験を見る、1つの視角が得られそう。
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  by helterskelter2010 | 2008-09-25 04:54 | Books

Industry Immersion

GS、モルスタ、資本増強にてしばらくは大丈夫・・・だといいが。野村証券の今後のグローバル・マネジメントに注目。

さて、こんなCredit Turmoilの中、今日はIndustry Immersionというイベントがあった。業界別に色々なスピーカーを呼んで、就職先候補に関する知見を深めようとするもの。
業界としては、コンサル、投資銀行(投資銀行部、セールス・トレーディング)、アセット・マネジメント、VC・PE、事業法人(メディア、ハイテク、機械等々)。機能別のセッションもあって、コーポレート・ファイナンス、マーケティング、ゼネラルマネジメント、等々。

投資銀行のセクションでは、予定されていたリーマンからのスピーカーが来ていなかった・・・当然か。みんなの質問は否が応にも信用危機の影響に集中する。答える側も苦笑いという感じ。総論としては、確かにダメージがでかい。でも長期的には回復する。またマーケットすべてが悪いわけじゃない、middle makert(メザニン)ではまだ流動性がある、といったところでしょうか。学生側もビビって、もともと投資銀行を狙っていた人もback up planとしてコンサルや他の業種にも目を向け始めている。特にコンサル人気は今年、結構すごいことになりそう。競争がそれだけ激しくなるね。

投資銀行、VC・PEのセッションでは、すでに日本でいろんな人の話を聞いてサーベイしていたせいか、それほど真新しい情報は得られなかった。PEやりたいななら、やっぱり投資銀行を経験してからの方がベター、という示唆は改めて確認できた。
「お前ら、MBAでてすぐにVC・PEに入れるとか、すぐに金持ちになれるとか考えるなよ。MBA卒の状態ではまだまだお前らはcheap labourだ。キャリアはもう少し長い目で考えろ。MBAで2年、インターンを経験、卒業後は2~3年の実務経験、そのくらいのスパンが必要。5~7年でgreat investorになるにためには何を学べばいいのかに集中しろ。」

実は一番面白かったのは、Learning about finance careesというセッション。GSBの卒業生で、あるベンチャー企業でCFOをしているK氏という人の講演だったんだが、素晴らしいプレゼンだった。同じ時間帯にVC・PEのセッションがあったのではっきり言って客(学生)の数はショボショボだったのだが、こちらを選んで当たりだった。

他のセッションでは、業務で疲れた顔を残しながら金融業界について自嘲気味に話すバンカーも少なからずいる中、K氏は自分の就職活動を振り返りながら、ファイナンスを専攻するというだけでもキャリアパスはいろいろあるんだよ、またそれぞれのキャリアは相当に異なる特徴を持つから、よく業界・職種の違いについて理解してほしい、とそういう親身になって学生の不安や疑問に答えようとする姿勢が全身からあふれていた。

決してしゃべりがメチャうまいわけじゃない。でも話すこと全てについて自分の経験談・個人史を惜しげなくバックアップさせるから、話の真実味が増す。パワポのスライドもグラフィカルにはかっこよくないけど、ポイントは簡潔に整理されている。まさに俺らが気になるようなポイント、たとえば:

・採用側がMBAに期待する資質は?
・大企業と中小企業で働く違いは?
・自分のcareer interestの方向性は?(業界?職能?)
・企業内部のコーポレートファイナンスで働く場合と、たとえば投資銀行でバンカーとして働く場合の違いは?
・Career developmentの際に気をつけるべきことは?

彼の就職活動は山あり谷ありであった。
「ヨーロッパの投資銀行でサマーインターンをして、気に入った。そこからフルタイムオファーをもらったので、行こうとおもっていた。ちょうどそのころ、好きな人ができて、婚約をした。彼女はミネアポリスのある小売企業でキャリアを築こうとしていた。卒業後、ヨーロッパに行ってバンカーになるか、彼女と一緒にいるか、悩んだ。結論として、ミネアポリスに一緒に住むことにした。」
「そこで1から就職活動をはじめた。場所柄として、そんなに職は多くない。そんなとき、前の職場(コンサル)のボスから、一緒にPEをはじめないか、と誘われた。面白そうだったので、始めた。でもすぐに法的な問題から、PEファンドは設立できないことがわかった。ボスと顔を見合わせたよ。また職なしになった」
「その後、ある小さなベンチャー企業の経営者と知り合った。その会社の従業員の人たちとも会い、ここならやりがいを感じながら仕事できる、と思った。CFOのポジションについた」

結果として、欧米系の投資銀行のバンカーになるよりも良かった、と彼は言う。
「当時、投資銀行やPEの給与や、いわゆるsexy life(贅沢三昧)について知らなかったわけじゃない。思えば結構greedyだったのかも。」
「でも、今の会社に入って分かった。僕はビジネス・チームの一員として働き、生の現場で仕事をするのが好きなんだ。ファイナンス担当ではあるけど、小さな企業ではその他のビジネスの意思決定にも多くかかわることになる。バンカーのように高度な金融手法を用いたりする仕事ではないが、これが僕の性に合っている」
「事業法人でコーポレートファイナンスをやりたい場合は、その企業のビジネスモデルが好きじゃないと駄目だ。決して製品自体を愛する必要はない。今の会社の製品は産業用の洗浄機器で、別に食卓でみんなに話して憧れを誘うようなcoolなものじゃない。でも僕はその製品を作り、提供するその企業のビジネスモデルが好きなんだ。」

この講演では、俺は一度も寝なかった。自慢じゃないが、退屈な話を聞いているときに眠りに落ちるスピードでは、俺は世界ランカーだと自負している。それでも寝なかった。型どおりの説明、どっかの本に書いてあるようなこと、抽象的な話、こういう話は全て眠気を誘う。覚醒するのは、そのスピーカー個人の内部の声に触れた時だ。どういう経験をして、何を感じて考えて、どう行動したのか。今から振り返ってどう思うのか。それが今の自分のあり方にどう影響しているのか。物事を判断する軸、信念、価値観、そういったものがスピーカーの口から発せられた途端、俺はものすごく興味をひかれる。これは他の人もそうではないだろうか。いくらMECEできれいに整理されたロジックで話をされても、そこに話し手自身の思いがなければ、全く空疎だ。テキスト読めばいい話だ。

これは、MBA受験のインタビュー、就職活動のインタビュー等についても、当てはまる気がする。自分じゃなきゃ相手に伝えられない内容、考え、フィーリング、そういったものをいかに聞き手にぶつけるかが、肝。
その意味でも、今日のK氏の講演は、本当に素晴らしいものだった。

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  by helterskelter2010 | 2008-09-24 14:17 | Career

Squad 1 Dinner

昨日はSquad 1(俺の属するチーム。この単位でLEADを履修する)のディナー。Indian Houseというインド料理店にて。ここが予想以上に美味しかった。たまにはいいもん食わせるじゃねえか、シカゴ(上から目線)。

この日は午前中にCohortの委員会メンバーを決める選挙があり、見事我がSquad 1から
JさんがPresidentに当選!Jさん、シカゴ大学卒業で、IBMでばりばりコーポレートファイナンスをやってきた中国系アメリカ人の才女。対抗馬のSさん(バンカー出身のモデルのような白人女性)が自家製クッキーのばらまき作戦で我々の票を誘導しようとする一方で、Jさんは的確に投票者の質問に答え、Presidentとしてのcandidacyを説得的に証明した。つーか、Sさんよ、クッキーばらまきは選挙管理法違反ぜよ。

Squadに話を戻す。Squad1のメンバーは8人。Squadにはそれぞれ2年生のファシリテーターがつく。今回のディナーは俺らのファシリテーター、陽気なトルコ人のA君がアレンジしてくれた。

就職活動の情報といった生々しい話から、現状の金融業界動向といった小難しい話、それぞれの夢など、話題はいろいろ飛んでゆく。やっぱり面白いのはみんなの出身国の文化の話。アメリカ人はメンバーの半分だけで、あとはブルガリア、インド、日本と、diversityに富む。日本に4年以上住んでいて、日本語ぺらぺらのアメリカ人C君なんていう異色な存在も(彼は俺のBest Friendの1人)。

ここでも日本の話にはみんな興味あるようで、回転寿司、多機能携帯など、おなじみのお話についてまた俺が講釈する。いつもそうなんだが、俺しか日本人がいないんで自動的に俺が日本のエキスパートになるのが居心地悪くてたまらん。俺も詳しいことは知らんって。

面白かったのは、ファシリテーターA君との文学の話。村上春樹が好きなんだって。彼は最初はジャズバーを経営していたんだよね、それでヒマを見つけて小説を書き続けたらものすごい作家になったんだ、と熱をこめて話すA君。

先ほど紹介した日本語ペラペラのC君に、「何で日本に興味もったの?こんなややこしい言葉を何で学ぼうと思ったの?」と聞く。

「学校で第二外国語を学ぶ機会があった。周りのみんなはドイツ語とか、フランス語とか、ヨーロッパの言語を選んでいた。でも僕はもっと違う言葉を学びたいと思っていた。日本のことはマンガ、アニメとかで最初知っていて面白そうだと思った。それに、漢字を書けたら『カッコイイ』って思ったんだ」
「日本語のいい先生にも恵まれで、日本のことが好きになった。大学卒業後は、日本で就職すると決めたんだ」

ああ、やっぱり文化なんだな、と思った。小説、アニメ、マンガ、そういった日本の文化をきっかけにして外国の人たちは日本に関心を持ってくれる。そして日本語をわざわざ学んでまで、日本のことを知ろうとしてくれる。
これは、日本が経済大国だから日本語を学ぶ、中国は市場がでかくてビジネスチャンスがあるから中国語を学ぶ、というのとはちょっと違う。
俺ら日本人の感性、モノの考え方が織り込まれた文化(ジョセフ・ナイ的にいうと「ソフト・パワー」)に惹かれ、日本語を学ぼうとする。日本語を学ぶことで、日本語で作り上げられた俺らの文化により接近することができる。
日本は世界に訴求できるそういう文化があるんだなあ。

世界で人気があるからって、いきなりアニメ・マンガを輸出産業に育成しようと、という考えも分かるには分かるが、コトは別にアニメ・マンガに限らない。ここでの文化はモノ自体に意味があるというよりも、そのモノにこめた思い、感性が大きな意味を持つ。

品質の高いものを作ろうとする職人的なまじめさ(自動車等)、場合によっては過剰サービスともなるような細かい気配り(サービス業、あと外国人にウケるウォシュレットとか(笑)、マナーの良さとか、云々。こういう製品、サービスには、お前らと違って、俺らはこういうことを大事にするんだ、こういうことになら一生懸命になれるんだよ、っていう日本人の価値観・感性がこめられていたりする(あるいは、作り手は自覚していなくても、そう認識される)。

日本人はモノ・サービスを黙って相手に見せて唸らせることはできるんだけど、そのモノ・サービスにこめた思いとか文脈をもっとうまく相手にマーケティングできたら、こういう文化への共感が広げられる気がする。ダメかな。この点、村上隆氏の論点にものすごく共感するんだけど。
日本は多機能携帯があってすごいね、鉄道が正確で便利だね、とかいった表面的な話ばかりじゃつまらないな、と思った次第。

最後にウェイターにSquadの写真をお願いする。

超ブレているじゃねえか、このうつけ者が。
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  by helterskelter2010 | 2008-09-24 12:34 | Private Life

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