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フィードバックあってこその評価

学校ではよく外部講師を招いた実務的な研修(エクセルとか、モデリングのスキル習得等)を開催している。とりたい人はカネ払って参加する。これまで受けた中では、「Training the Street」のファイナンシャル・モデリング研修はずば抜けて良かった。エクセル作業の効率性が2倍向上し、コーポレート・ファイナンスに関する実務知識もしっかりつく、という素晴らしいもの。

さて、この間もパワポ・プレゼンテーションの研修があったので、受けてみたのだが、うーむ、中身はイマイチだった。。たまにこういうダメなのもある。パワポの研修と言っているのに内容はほとんどエクセルだし(笑)、講師の説明も分かりにくい。学生が質問しても、対応が悪い。学生が「なぜここではこの関数を使うのですか?」と聞いても、「いや、これは現場でみんなそうやっているんだよ。そういうもんだから覚えてよ」と、ロジカルな説明を何もしない。実に不親切。初めてChicago Boothで研修をさせてもらえるベンダーだったので、不慣れだったのかもしれないが、それにしてもプロ意識がない。

研修後のフィードバックというのも必ずやっているので、率直に評価して返した。他に受けていた学生もみな相応の評価をしたのであろう、こないだ学校のAcademic Serviceからメールがきて、研修の代金をRefundしてくれるという。

「我々(Academic Service)は、学生のニーズを満たすプログラムを提供しようと日々努力しています。新しいベンダーを導入するときには、その内容が学生の期待に沿わないリスクを必ず伴います。残念ながら、今回はそのケースに当てはまってしまいました。このため、今回の研修費用はお返しします」

相当に研修の評価がひどかったことは想像できるが(笑)、この早いレスポンスには感心。前職の会社でも外部講師を使った研修はよくやっていて、中には本当にクソの役に立たないモノもあって、研修評価でもいろいろとコメント(もちろん建設的な批判を含めて)していたのだが、担当する人事部からはなんらフィードバックがなかった。研修費用を自分が払っているわけではないが、忙しい勤務時間を割いてみんな参加していたので、そこでヒドイ研修内容だとツライ。翻って本当にアメリカの学校の評価の反映はこわいくらいシビア。教授たちも授業評価されるので、大変だとは思うが、それゆえに授業のクオリティはある程度保証されている。
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  by helterskelter2010 | 2010-01-30 01:22 | Study

サリンジャー逝く

サリンジャーが死去。91歳か・・・思春期に読むと必ず自分の都合のよいように誤読してしまうという強烈な魅力を持つ作品群。「青臭さ」を青臭くないように表現するのに非常に長けた作家です。「ナイン・ストーリーズ」なんか好きだったな。ご多分にもれず、俺ものめりこんでアウトサイダーの道に危うく引きずり込まれそうになりました(笑)。藤村操的なペダンティズムが味わえる「テディ」とか。今度読み返してみよう。きっとまったく違う読後感を持つはず。

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  by helterskelter2010 | 2010-01-29 06:08 | Books

衝撃の金融規制法案

すごいな・・・とくに銀行のHF・PE業務、プロップ・トレーディングの禁止は衝撃的。本気でコレをやるなら、投資銀行はビジネスモデルを大転換(大復古?)しないといけなくなる。GSはロビー活動しまくるだろうけど。それにしても規制案のブレーンの1人であるAustan GoolsbeeはわがChicago Boothの若手教授なんだよねえ。(実はGooslbee教授のテクノロジー・通信業界の授業、すごくとりたかったのだがオバマのアドバイザーになっちゃったから授業はキャンセル!)Free market重視のシカゴ学派から大分遠いところにきているのか?いや、TARP案のときもほとんどのシカゴ大教授は賛成していたので、政治的な意味でのシカゴ学派はもう少数派なのかもしれない。
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  by helterskelter2010 | 2010-01-23 01:23 | Research

「武器」としてのバリュエーション

Prof. Gregory Nathanielの「Cases in Financial Management」が超面白い。かのラザード・フレール(M&Aで有名な投資銀行)のパートナー、その他PEのパートナー、石油会社のCEOなどを歴任してきた豪の者だけあって、授業もものすごい迫力。内容は実にプラクティカル。

基礎科目「Corporate Finance」では「教科書通りのバリュエーションはこうやるんですよ」ということを学んだが、この「Cases~」では、そういう教科書で載っているようなマトモなバリュエーション手法を使っても、前提の置き方でいかに大きく企業価値評価の結果が変わるかをケースで学ぶ。売り手であればより高い価格で企業を売りたいし、買い手であればより低いバリュエーションを出したいだろう。いかに自分の都合のよいようにバリュエーションをし、ロジカルに主張できるか。まさにバンカーに求められる実践的なスキルである。たしかに俺も投資銀行でインターンをしていたとき、有名MDが「Fair Valueがいくらかなんかは、考えない。顧客のためにどれだけいい値段を出して、それを押し通せるかが勝負なんだよ」と言っていて、衝撃を受けたが、まあ考えてみればそうだわな。学者からしたらどれだけ正確に価値評価できるかが重要なんだろうが、実際に取引を完遂しようとしている立場からすれば、バリュエーションも交渉のための重要なツールの1つなのだ。

これこそがバリュエーションのアートの部分で、実に面白い。βのとり方、エクイティプレミアムのとり方(標準的な教科書で提示されている数値でも3%~7%とレンジが広い!)、対象企業のレバレッジの想定、terminal valueの成長率、等々、裁量に任される部分があまりに大きいために、ある種「いかようにでも」数字はいじれる。教授の話し方もべらんめえ調で楽しい。「お前ら、コーポレートファイナンスで教授がこういう風にやれ、と教えてくれたからってそのまま鵜呑みすんなよ!Do what ever you want, but you gotta know what you're doin'!!」。明らかに他のアカデミックな教授とは雰囲気が違います(笑)。現場での泥臭い交渉、修羅場をいくつもくぐりぬけてきたからこその知恵があふれている。企業戦略のために、コーポレート・ファイナンスを「武器」として使いこなすことを意識した授業で、これぞMBAの真骨頂でしょう。他にとっているLuigi Zingales教授(超有名なヒト)のPEの授業もそうだが、ここにいたって本当にChicago Boothにきてよかった、と思う。1年目より負荷が多くて想定外に遊ぶヒマがないんだけど(笑)。

今回組んでいるスタディ・グループもすごくいい感じだ。インドのIIT出(!)のエリート・エンジニア、カナダ出身のバングラデシュ人、これまたエンジニアのアフリカ出身のWeekend MBA生。1つ良くわかったのは、優秀なヤツよりも、モチベーションが高いヤツがいたほうがグループはちゃんと機能するということですね(もちろんChicago Boothで優秀じゃないヤツなんてそんないないと思うけど・・・)。ファイナンスの「ファ」の字も知らなかった俺が、グループ・メンバーにバリュエーションのイロハを教えられるまでになったのも、感慨深いものです。がんばりませう。
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  by helterskelter2010 | 2010-01-19 07:08 | Study

DJ Shadow Stem (Cops and Robber mix)



友達が教えてくれたDJ Shadowの名トラック「Stem」の、Cops and Robber Mixバージョン。映画「HEAT」のデニーロやパチーノのセリフをかぶせていて、なかなかカッコイイ。元のバージョンも好きだけど、こちらもなかなかです。

DJ Shadowの「Endtroducing」を初めて聴いたときの衝撃は忘れられない。ヒップホップなんだけどラップがない、トラックのビートも変則自在、やたらにアンニュイなメロディライン。しかもほとんどは自分で楽器を弾いているんじゃなく、他の音源からのサンプリングで成り立っている。「音のサンプリングと組み合わせでこんなスゴイものが作れるのか!」と、それまで持っていたクリエイティビティの既成概念を壊してくれました。しかもサンプリング元はヒップホップだけでなく、ロック、ジャズ、映画サントラとジャンルの垣根を越えて多岐にわたる。このアルバムを聴いてからは、俺も本当にジャンルに関係なくいい音を探すようになりました。それにしても、アルバム全体が映画のサントラのようでもあり、でもしっかりとヒップホップを感じさせるのは、彼のDJ経験の深さがあるからか。ビョークやU2の有名曲を料理してしまうのも心憎い。

ちなみに上記の「Stem」の印象的なメロディ・ループは、UKバンドの「ニルヴァーナ」(カート・コバーンのじゃないよ)の「Love Suite」からとっている。


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  by helterskelter2010 | 2010-01-18 01:07 | Music

「トライアンギュレーション」のススメ

就職候補の会社はどんなところなのか。自分にフィットするカルチャーなのか。宣伝はかっこよくしているけど、中に入ってみると、ブラックなんじゃないのか(笑)。会社選びをする人はみんな気になるところだと思うが、こういう情報が一番入手しにくいし、評価しにくい。一番いいのは実際に中に入ってみること、つまりインターンさせてもらえるのが確実な方法だが、それもできない場合はどうするか。

今回、俺も就職候補先のデュー・ディリジェンスで相当時間を使ったが、情報を集める際には「トライアンギュレーション」が有効。やみくもに情報を集めるのではなく、異なる立場の人に対しそれぞれ一定サンプルのインタビューを行う。例えば投資銀行A社だったら、

①A社内部の人間
②A社の競合の人間、A社のOB
③A社を使う人間(事業法人財務部、PE)


それぞれのグループで、情報のバイアスがどのようにかかりやすいか、またどのような情報を引き出しやすいかが異なる。①なら内部情報は引き出しやすいかもしれないけど、まあリクルーティング・チームの人はいいことしか言わないよね(笑)。②の場合、人によるけどA社の悪口を沢山聞くことになる可能性は高い一方、①の情報を少し相対化できる。③はかなり貴重で、実際にA社の仕事ぶりの評価を顧客視点で聞かせてもらえる。これ以外だと業界全般に通じているヘッドハンターの情報なんかも有益だろう。いずれにしてもこういう風にグループ化してそれぞれの特徴を意識しておけば、その場その場で聞いた情報で翻弄されずに、「誰が言った言葉なのか」を意識すれば、自分で情報を処理するときにもバイアスを受けにくく、より確かな評価ができる。

MBAがいいのは、上記の①~③のグループが学校にすべてそろっていること。投資銀行出身の奴、投資銀行を経て他業界に行った奴、コンサル出身・PE出身の奴、などなど。学生同士なので気軽に話も聞ける。(MBA王道のコンサル・PE・投資銀行に偏りはありますが)。

企業価値評価を行う場合、普通は1つの方法だけじゃなくて、いろいろなバリュエーション手法を使ってみた上で、ある価格のレンジを求めるのが常道だ。つまりマルチプル法、類似取引法、DCF法などを多角的に使って外堀を埋めていく。会社の中の雰囲気を知ろうとする場合でも、やはりいろんな角度から見ていったほうがいい。本当に、思わぬ情報がGETできることがあります。
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  by helterskelter2010 | 2010-01-11 16:21 | Career

機内映画

2泊4日の強行軍で日本に行ってました。飛行機の中でケースを読み(泣)、シカゴに戻ったその日の夕方に授業を受ける。ビジネスクラスでも、13時間のフライトはきついス。さすがに13時間の間、ケースと論文を読み続けられるわけはないので、映画もたくさん観た。簡単な感想。

1.「パブリック・エネミーズ」:2009年、マイケル・マン監督、ジョニー・デップ主演

評価:5点中2点

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まあマイケル・マンの作品ですね。銀行強盗ディリンジャーをデップが演じる。ウチの近所にもデップ、クリスチャン・ベイル、コティヤールちゃんが試写会のために来てました。ウチの嫁(妊娠中のとき)もデップ見たさに映画館前でねばるも、耐え切れず挫折した経緯がある。1930年代のシカゴもでまする。正直、内容は凡庸。「HEAT」と同じです。追う者(ポリ公)と追われる者(銀行強盗)の間の緊迫感、冷酷なワルが女に出会い惚れる→ゆえに弱みができる→女とともに違う人生が歩めるかもしれない可能性→でもそうは問屋がおろさないよ、かっこよく悲劇的に終わるぜ、という展開は共通。女性の描き方の陳腐さもしっかり踏襲(笑)。コティヤールちゃんはかなりがんばっていますが。俺が好きなのはマイケル・マン監督の銃声に対するこだわり。映画館で爆音で聞くとたまりませんよ。「HEAT」て映画自体は凡作の部類に入ると思うが、中盤の戦争かと思われるほどの大銃撃戦、それとパチーノとデニーロのかっこよさだけで観れてしまいます。他方、この「Public Enemies」、銃撃戦も派手だしジョニーもかっこいいんだけど、クリスチャン・ベイルがいまいち(演技力の問題ではなく役にあってない)なのと、やっぱ30年代の設定なので銃撃戦の迫力はやや劣るので、魅力は落ちる。DVDで見る分には悪くないか・・・・

2.「Love Happens」2009年、ブランドン・キャンプ監督、アーロン・エッカート、ジェニファー・アニストン

5点中1点

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ラブコメ。ジェニファー・アニストンは40代とは思えない可愛さ。でも演技はフレンズのときとなんら変わりません。アーロン・エッカートはうまいですね。心に傷を持つ男がある女性に会う→しばしうまく付き合い、男は心をほだされはじめる→しかし本当の自分の痛いところを女性につかれ、激しい言い争いになる(組織論でいうストーミング段階)→しかし女性のおかげで自分を取り戻す→女性の元に行き、和解する→めでたし*2。体中の垢にまみれたストーリー展開。超リスク回避的な人はデートに使ってください。

3.「The Informant!」:2009年、スティーヴン・ソダーバーグ監督、マット・デイモン

5点中3点

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実話に基づいた、企業内部告発者の活躍と予想外(?)の展開。主人公は食品会社に勤める重役。競合他社として味の素なんかでてきて面白い。知的ブラック・コメディ。マット・デイモンの演技がすごい。FBI Informantの仕事にハマり、調子に乗り出す中年オヤジをうまく演じている。最近のソダーバーグ映画の中では出色なのでは。それでも3点と辛いのはそれほど笑えなかったから。チト内容は地味だし、日本ではそんなに売れなそう。
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  by helterskelter2010 | 2010-01-09 17:08 | Movie

最強のTA

Winter quarterが始まるのは来週からだが、First Class Assignmentというのがあって、最初の授業までに提出しなければいけない宿題を出す教授もいる。今回俺がとる授業4つのうち、3つもそれがある(涙)。その中でも内容がややこしいAdvanced Investmentsの宿題(ムズすぎる)に頭をかきむしりながら奮闘していたら、同じアパートに住むSさんからお茶のお誘い。Sさん宅にも小さなお子さん(女の子)がいるので、ウチのJr.も連れてお邪魔した。Jr.も遊んでもらって喜んでいたし、俺もいい気分転換になりました。

Sさんはノースウェスタンで経済学の教授をしている人。「ファイナンスの授業がチンプンカンプンで・・・」と言うと、「いつでも気軽に質問して」とメールアドレスをもらった。最強のTeaching Assistantが友人になり、これはなんとも心強い。すさまじい経歴なのに実に気さくな方。分野は違うけれど、俺研究者にならなくてよかった・・・こんな超優秀な人と勝負してたら、ヘコみますって。

今学期はこれまでで一番忙しい学期になりそう。MBA2年目、就職活動がないぶんたしかにラクだけど、とる授業によってはやはり多忙になります。ま、冬はどうせ寒くてどこにもいけないのでいいかな(すでに常時気温がマイナスの世界に入りました)
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  by helterskelter2010 | 2010-01-02 22:57 | Private Life

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