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相手をMotivateさせるプレゼン

この間、ある起業家の方のプレゼンを拝見する機会があった。
これが非常に勉強になった。

具体的なエピソードをふんだんに交えながら、時には冗談で場を和ませながら、ポイントとなるべきところはロジカルに鋭く説明し、相手の反応を見ながら訴求力のあるフレーズを投げかける。とにかくエネルギッシュな人で、ほうっておけば何時間でもしゃべりつづけられるんではないか、と思わせる。

と、こう書いてもうまく伝わらないのだが、参考になったのは相手を「その気にさせる」、あるいは相手が自分のことを「こいつは何かやってくれそうだ」と期待を抱かせる、そのスタイルだ。

僕はコンサルティングを通して、ある仮説の下にファクトを収集・整理して、さらにはそれらをロジカルに1つのストーリーに組立て、インパクトのある資料を使いながら顧客に説明する、そんなプレゼンスキルは大分磨いてきたつもりだ。
これは聞き手をPersuade(説得)、Convince(納得)させるプレゼン方法だといえる。他方、僕が見た起業家の方のプレゼンは、聞き手をMotivate(動機付ける), Move(感動させる)ものだった。

僕がかかわったコンサルティングプロジェクトの場合、大概は顧客担当者がある方針を自分の上司に説得的に説明して、社内的にゴーサインをださせるためのサポート材料を提供する、といった性格のものが多かったから、この場合はPersuade型のプレゼンが適していたといえる。

他方、起業家が出資者にプレゼンする場合は、Persuade型では不十分だろう。もちろん、事業の現実性・妥当性を説得的に説明するには客観的データに基づく冷静な分析結果を示す必要はある。しかし、本当に成果がでるものか分からない事業に対して、相手に相当額のお金を出資させるには、ロジカルな説明だけでは不十分で、相手の心にささる、Motivate型のプレゼンでなければダメだろう。

PEも投資家から資金を預かって、企業価値向上を目指すという意味で、ある意味起業家の側面があるから、Motivate型のプレゼンスキルは必要かもしれない。その意味では、僕にはまだまだ課題が残っているなあ。MBA受験予備校のインタビュー・トレーニングでも、カウンセラーに指摘された。

「お前はPEをやりたいんだろ。それは一種の起業家を目指すことと同じだ。それならもっとカリスマ性を見せろ。バイタリティを出せ。」

Chicago GSBのEntrepreneurship のプログラムは充実していて、実際にVCや投資家の前で自分のビジネスプランをプレゼンする、非常に実践的なコースもあるそう。いろいろな機会をつかんで、プレゼンスキルを磨こう。

  # by helterskelter2010 | 2008-04-24 21:18 | Career

コトバの力

MBA受験のために通っていた予備校のウェブサイトに、僕のMBA受験体験記をアップしてもらった。
エッセイとインタビューの準備について、僕の苦労した経験を記しているので、これからMBA受験を検討している方は、ご参考にしていただければ。

僕は文章を書くのがもともと好きなので、コンパクトにまとめようとしたものの、結果として他の方の体験記に比べて、どえらい長文になってしまった。
今の会社でも、文章を買われてか、単に若手だから巻き込まれたのか分からないが、現在3冊目となる出版物を一部執筆中。

ダラダラ長く文章を書けばいいというものではないけど、コトバを選ぶセンスや、多様な言い回しの引き出しを持つことなどは、コンサルタントとしては重要なスキルだと思っている。結局はお客さんが我々のプレゼンを聞いて、報告書を読んで、「これは高いフィーを支払った以上の価値があった」と唸らせるのが商売みたいなところがあるので、使いようによって訴求力の大きく変わるコトバの力をナメてはいけない。

エッセイ・インタビューもプレゼンのひとつなので、もっとも魅力的に自分をアピールできるように、コトバの使い方に細心の注意を払う必要がある。まして母語語ではない英語を使う場合、うまく読み手に「ささる」文章を構築するには、nativeのプロフェッショナルに見てもらうことの効用は高い。

僕が選んだカウンセラーW氏は、そんな「コトバの力」を信じている人物で、猛烈な文学好きの人間でもある。毎回カウンセリングのたびに、新たに本のコレクションを増やしていて、それがただのコレクションではなく、著者サイン入りの初版モノばっか。W氏も文学談義ができる相手が珍しかったのか、いつも世界中の小説、詩、映画について熱く語ってくれた。共通の趣味もいろいろあって、今や僕は予備校を卒業してクライアントの関係にはないけど、W氏とはたびたびメール連絡をする良い友人となった(年の差がハンパないけど)。

  # by helterskelter2010 | 2008-04-23 21:47 | MBA受験

基本動機

最近、三品和弘氏、「戦略不全の論理」を本棚から引っ張り出して再読してみた。

著者はハーバードでPhDを取得、HBS助教授もされていた方で、僕の大学院時代と同じ専攻、経営史の研究をされている。アカデミックな観点からはこちらの方が刺激的だったけど、本書は経営人材(著者は「経営職(リーダー)」と呼称)を育成訓練するためのMBAプログラムについて、かなり突っ込んだ議論をしていて、面白い。コンサルや人材育成専門家ではなく、学者がここまで具体的に論じた本はあまり知らない(MBAプログラムを実体験したからこそ書ける内容になっている)。

著者のリーダー論は、僕がもともと感じていたことをかなりの部分、整理してくれた。以下、簡単に御紹介。

経営職(リーダー)は、基本動機を組織の外に持たねばならない。

組織の内部に動機を持つと、どうしても組織防衛の方向へ意識が向かい、収益の下限を底下げする発想になってしまう。同じ職場で喜びや苦しみを長年共有する仲間、そういう自分に身近な人々の幸福を願う気持ちはごく自然だけど、リーダーとしてはやはりそれを超えた部分で自分を動かすエンジンを持たないといけない。

創業経営者に固有の特徴は、事業や企業よりも動機が先に来るという点である。これはある意味当然で、そうでなければそもそも起業していない。
日本の例を挙げると、特に技術系創業者では、やはり何かを自分の手で作りたいという欲求が動機になっている。ジャパニーズ・ドリームの定番だと、豊田佐吉、本田宗一郎、井深大あたり。(技術屋以外だと、松下幸之助、柳井正など)

2代目でも成功している人はいる。こういう人は、自分が継承するものを富ではなく責任と見る人たち。いつの日か自分が経営するかもしれないという目で企業や事業を見て育つ。家業の危機体験とか、幼少期からの帝王学の刷り込みとか、基本動機の形成が生まれ育ちと密接な関係があるパターン。例えば、ヤマト運輸の小倉昌男。

基本動機は主に人の成長期に起こる現象だ。そういう動機につかれた人間は、そもそも大企業に就職しない。したとしても、そこに長くはとどまらない。

著者は言う。
「大学を見渡しても、実際に基本動機のできている学生は皆無に近い。そういう学生が、ほぼ白紙の状態で大企業に入社していく。そして会社の中で事後的に動機を形成して会社人間になっていくのであろう、これが現実だ。まるで今と連続する生きた人生が、入社以降に始まったかのごとくになっている。」

僕の場合、MBA受験を通して自分の過去の棚卸が求められ、自分の基本動機の形成が少しは醸成されたかな、と思っている。
また合格後、急に新しい世界が開けたかのように、素晴らしい人たちとの出会いが続くと、これまた自分の基本動機を刺激される体験になる。僕は創業者の息子でもなんでもないけど、創業者・2世経営者でなくとも、先輩の成功体験・role modelを目の当たりにすることで、そういう「組織の外にある基本動機」を育てることは不可能じゃないと思う。それは以前の記事で書いた、「何をしたいか」という問いに常に答え続けることにも通じる。

なお、三品氏の本、まだまだ面白いことを書いているので、また別途紹介する予定です。
基本動機_b0131315_20533199.gif

  # by helterskelter2010 | 2008-04-22 02:08 | Career

Saul Williams

Whereas breakbeats have been the missing link
connecting the diasporic community to its drum woven past

オススメのCDその1。
Saul WilliamsのAmethyst Rockstar
ポエトリー・リーディングから出発したアーティストで、僕が初めて知ったのは「SLAM」という映画を大学院生時代に渋谷で見たとき。
あれは衝撃的だったなー、ストリートの悲惨さをギャングスタのマッチョイズムではなく、ポエトリー、それもFREE STYLEバリバリのたたみかけるライム(これをSLAMというらしい)で昇華させていた。めちゃカッコイイのでオススメです。

俺は金持ちだ、俺は女にモテる、俺は強い、俺はどんな悪いことだってやってみせる、というフレーズの飽くなきリフレインをするいわゆるメジャー・シーンのヒップホップとは異なるテイストが味わえるはず。

ああ、なんかRage against the machineのZackと合いそうだな、と思っていたら、セカンドアルバムでコラボしてた。

でもやっぱりヒリヒリするようなライムをたたきつけてくるファーストがmy favourite。コトバで飛べます。
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  # by helterskelter2010 | 2008-04-18 01:43 | Private Life

飲み会続き

日曜日は高校からの親友S君、R君と焼肉飲み。
S君は留学先のフランスからの一時帰国の中、R君は外資の名門法律事務所での激務をぬって集まってくれた。
高校の頃は、この3人でほぼ毎日、駅まで一緒に帰宅していた。

S君からはフランスの生活事情や、大学院での研究内容、
R君からは弁護士稼業の内部事情、お客であるPEの日本での活動事情など、面白い話をたくさん聞けた。僕はほとんど聞き役。

大学時代の友達もそうだけど、やはり学校で一緒だった友達とは気楽に過ごせてよい(お互い青臭くて恥ずかしい部分を周知しているから気取る場合じゃない)。

R君のシカゴ出張の話によれば、やっぱりシカゴ・ピザはマズイらしい・・・米国の食事に期待をしては×か。イギリスも大したことないけどね。

S君はまたすぐフランスへ、R君はLLM取得のために今年から米国留学。
皆またバラバラになるけれど、数年後また集まっても同じ感じでバカ話ができるだろう。

それにしても今日は弊社の新入社員の歓迎会だし、4月はやけに飲みイベントが多いような・・・
胃がもたれる。ウコンって効きますかね。

  # by helterskelter2010 | 2008-04-15 20:11 | Private Life

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