ダブル講師によるぜいたくな講義

さてChicago Law Schoolの「Structuring VC, PE, and Entrepreneurial Transactions」

BoothのHarper Centerも素晴らしい建物だけど、このLaw Schoolもなかなかにカッコイイ作り。
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この授業が行われている教室「Lecture Room Ⅴ」は、かのオバマ大統領がシカゴ大在籍時代によく英米法のレクチャーに使用していた場所のようです。

教室の前にオバマ氏の写真が飾られてある
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講師はこの道のスター、JACK LEVIN。まず、経歴がハンパない。ケロッグMBAを優等(summa cum laude)で卒業、CPA試験でIllinois Gold Medalを受賞、ハーバードLaw Schoolも首席で卒業。おい、「出来杉クン」てのは現実にいるんだな。しかし、話してみるとテニス好きな気さくなオジサン。MBAの授業と同じように、ジョークを飛ばしながら軽快に話を進めていく。

LAW SCHOOLの授業がMBAの授業と違うのは、レクチャー形式が主なこと。MBAでもレクチャーはあるけど、生徒との対話もかなり多い。LAW SCHOOLは教授が一方的に話している時間の比率が多い気がする。それでもJACK LEVINは結構生徒に質問してくから、少しMBA寄りなのかもしれない。生徒も3分の1はMBA学生が占める(内容がPEなので)。

それより面白いのは、この講義はJACK LEVINともう1人、DONALD ROCAP(LAW SCHOOLのlecturerで、JACKと同じ弁護士事務所のパートナー)と2人で行っていくところ。おいおい、弁護士事務所のパートナー2人を3時間拘束するなんて、どんだけ高価な授業なんだと思う(笑)。基本的にはJACKが講義していくんだけど、事例を使って説明するときなんかに、となりに座っているROCAPを相手に掛け合い漫才のようにして事例を再現していく。

「俺(JACK)はVCだ。DONALDがアントレだとする。DONALDのアイデアに俺が1万ドル投資したい。どういう形で投資すればいいか?」
「(DONALD)そうだな、1万ドルをエクイティとして投資してくれ。そしたら会社の持分40%をやるよ。俺は60%をGET。」
「(JACK)おい、お前ナメてんのか。お前は会計の算数も、税法についても何にも分からないようだな。お前の頭が弱いのは分かったから、お前にも分かるように、これからゆっくり説明してやろう」


という具合に、基本的にDONALDがイジられる(笑)。でもこの方法、聞いている側としてはすごく分かりやすいんだよね。また、学生の質問に対しても、JACKとDONALDの2人が答えてくれて、その場で法解釈の違いについて2人で意見を戦わせはじめたりするから、刺激的だ。

毎週100ページ以上もテキスト読むのはしんどいけど、実践的なインプリにあふれているので、何とかついていきたい。それにしても何かLAW SCHOOLの学生たちはMBAの学生とはまた違う雰囲気を醸しているよね。
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  # by helterskelter2010 | 2010-04-07 12:57 | Study

ASA-CHANG & 巡礼

いや~久しぶりに聴きなおしたけど、いいですねえASA-CHANG & 巡礼。お友達がFACEBOOKに動画をUPしていたのを見て思い出したよ。

「花」


この「花」が一番有名でしょうかね。日本語の声・しゃべりを、ベースやドラムと同じリズム隊として加工している。もちろんエイフェックスとかもこういうのやっているけど、「日本語」ってのがいい。フルカワ ミキさんの声がプツプツ切れたり、遅くなったり早くなったり。発している言葉の意味は分かるんだけど、「歌」としては聞かせてくれない、そこがスゴク面白いし、病み付きになる気持ちよさ。坂本龍一みたいなストリングスも綺麗だよね。

「花」もいいけど、俺が特に好きなのは「KOKO NI SACHI ARI」と「RADIO NO YOUNI」。前者の曲はリズム爆発。タブラによるバキバキの人力ドラムンベースにシタールが乗っかり、それに日本語の声(コレ、一応あの曲のリミックスです)が絡み合う。TALVIN SINGHが日本酒飲みすぎて暴れまわっているような(笑)。

「RADIO NO YOUNI」は、曲名から分かるとおり、ブリジット・フォンテーヌの名曲「COMME A LA RADIO」のカバー。原曲のあの無国籍的なメロディを残したまま、シタールなどの弦楽器やエレクトロ・サウンドで崩しにかかる。途中からオーガスタス・パブロが乱入し(ウソ)、トランス・ワールドに誘われる。素晴らしいセンスだ。

この2曲、どちらもYOUTUBEになかったので残念ながらここで音を紹介することができず。
しょうがないから原曲の「COMME A LA RADIO」の動画でものせておこう。コレも、いつ聴いても涙がでそうなほど美しい曲ですね。


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  # by helterskelter2010 | 2010-04-01 12:57 | Music

LAW SCHOOLの授業

前にも書いたかもしれないけど、「Structuring PE~」というLaw Schoolの授業を今期とることにした。BookstoreでCourse Packを見て即後悔。

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Course Packがダンボール箱1つ分なんて、初めて見たよ。信じられないので、本屋の兄ちゃんに本当にコレを買うのか、と確認してしまったほどだ。(これでも最近はマシになって、少ないほうらしい・・・・)
写真を見れば分かるとおり、開いたらもう返却はできない。ちなみに他の授業にも共通しているが、Course Packというのは、開けなければ所定期間内に返却してRefundもらうことができる。
まあ予習もしないといけないし、えいやとOPENしましたよ。

中身を見て再び挫けそうになる
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600ページ強あるCourse Packが、まとめて6冊なり。MBAの授業でも、参考文献とか結構まじめに読むから、授業1単位につき学期を通して合計1,000ページ(ケース含む)くらいは読んでいるけど、これはそんなレベルを優に超えている。Law Schoolの人たちは、みんなこんなREADINGの苦行を積んでいるのだろうか。法律の条文とか、Skimしても意味分からないし、これは困ったもんだ。マトリクスとかフローチャート、あるいは数式で表現してくれ~と思いたくなるが、この法律ってのも会計とかのように1つの言語なんでしょう。

最後の学期てのはみんな少なめに授業とって、旅行とかゴルフに興じるのがデフォルトかと思っていたのだが、そうはならなそうな今日この頃。あい、がんばります。
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  # by helterskelter2010 | 2010-03-30 13:23 | Study

森見 登美彦「きつねのはなし」

最近は本屋でも平積みで、売れに売れているとか。森見登美彦氏。若手です。これまで若手といえば阿部和重くらいしか読んでいなかった(読めなかった)けど、森見氏は阿部氏よりもさらに若く、俺と同世代!同世代でこんなに才能ある人が現れるのは、本当に嬉しいものです。

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一番有名なのは「夜は短し歩けよ乙女」ですかね。まあ恋愛小説なんだけど、非常にエッジの立った登場人物の魅力と、現実とファンタジーを行ったり来たりする感覚(ガルシア・マルケス的な不可思議イベントが目白押し)、それに独特な表現・セリフがオモチロく、ぐいぐい読ませる。ポップな筆致ではあるのだが、文章のそこかしこに古典へのオマージュが見られる――ので、使っている語彙は結構難しかったりする。(実際、古典をリミックスした「新釈 走れメロス」なんて作品も出している。これも良い)。マンガみたいな展開、奇想天外なキャラクターのオンパレードでも、話がふわふわとしたファンタジーに飛んでしまわず、リアリズムを失わないのは、こういう古典文学を換骨奪胎している書き方と、京都という実在の場所を舞台にしている(かなり具体的な情景描写がされる)のが利いているのかもしれない。

純文学ってのは、死とか絶望をテーマにして強面に書かねばらなん、というありがちな縛りから気持ちよく解放させてくれる。もうイヤになるくらい深刻な小説とか多いんだけど(そしてキライじゃないけど)、読んでいて腹の底が明るくなるような小説だって同じくらい重要だ。ソーダ水の泡のように楽しく弾ける言葉を味わえばいいのです。

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というような「夜は短し歩けよ乙女」に対して、本作「きつねのはなし」は一転、ダークで、じっとりうなじに汗をかくようなジャパニーズ・ホラーです。「夜は~」のようなオチャラけた感じはゼロ、文章の書き方も完全にギヤ・チェンジしている(ので、「夜は~」みたいなのを期待している人は要注意)。

感想としては、趣味も入るけど俺はかなり好きだな。「夜は~」よりも好きかもしれない。表題作含めて4編が収録されていて、どれも舞台はまた京都。俺的には「きつねのはなし」と「水神」、この2つが出色だった。魔物の存在を背後にうかがわせるんだけど、魔物が直接でてきて人を食うとかではなく、いろいろな不可思議な現象の裏に魔物の「気配」を感じさせるだけ。古本の匂い、雨の降る前の匂い、水の音、果物の匂い、ぬるっとした手触り・・・と、(日本ホラー特有の)視覚以外の感覚もじわじわ攻めてくる表現はさすがで、読んだ後はツタがピタッと脳にからんだように、小説のイメージがしばらく頭から離れない。ブキミなり。

「きつねのはなし」での「私」と「ナツメさん」のやり取りなどは、「夜は~」にはないエロティックな余韻もある(あからさまなエロじゃないよ)。夏目漱石の「草枕」の主人公と「那美」とのからみを想起させるけど、深読みしすぎかな。

ただ、「夜は~」と「きつねのはなし」にも共通する部分はある。
それは「縁」というものを軸にして書かれている、という点だ(邪推ですが)。

「縁」は英語だと「カルマ」という大げさな言葉になる。英語のクラスで「袖刷りあうも他生の縁」を英訳したときは、仕方なく「縁」の訳として「カルマ」を使ったけど、これは裏に輪廻転生という派手なコンセプトを感じさせる。この場合は、そんな大げさなものでなくていい気がする。偶然と呼ぶほど奇想天外なことでもなく、されど必然と呼ぶには当初の想定からだいぶ外れた出来事。人と人、人と物との出会いの中に、この偶然と必然の間の微妙な感覚に触れる― そういうのが「縁」だったりする。

「夜は~」は読めば分かるとおり、「私」と「黒髪の乙女」が、いろいろな縁で強烈な個性を持つ楽しいキャラクターたちに出会い、そのキャラクターたちに押し合いへし合いされながら話が進んでゆく。キャラクター・ドリヴンなストーリー展開だ。最後はメデタシメデタシな恋愛モノで、しめくくりも「こうして出会ったのも、何かの御縁」で終わる。

他方、「きつねのはなし」(プラス一連の収録短編)も、奇妙なモノのやり取り(「きつねのはなし」の物々交換)や、「胴の長いケモノ」との遭遇(とくに「魔」での展開)等を通して、気づかぬうちに異形の世界の者たちと出会ったり、憑依(?)されたりすることで話が進む。どちらかというとイベント・ドリヴンなストーリー展開なので、出てくるキャラクターの数や「夜は~」ほど多くない。こちらは普通はできれば避けたい「不吉」な「縁」で、かかわりあったがために不幸な目に遭うというもの。

「きつねのはなし」収録の「果実の中の龍」で、この「縁」に対してかなり直接的に言及している箇所がでてくる。

「こうやって日が暮れて街の灯がきらきらしてくると、僕はよく想像する。この街には大勢の人が住んでいて、そのほとんどがすべての人は赤の他人だけれども、彼らの間に、僕には想像もつかないような神秘的な意図がたくさん張り巡らされているに違いない。何かの拍子に僕がその糸に触れると、不思議な音を立てる。もしその糸を辿っていくことができるなら、この街の中枢にある、とても暗くて神秘的な場所へ通じているような気がするんだ」

「夜は~」で展開される「縁」は、なかなか楽しいものだが、「きつねのはなし」の場合は、「縁」がもたらすダークな側面が全体を覆っている。

自分では完全にコントロールできないのが「縁」だが、「きつねのはなし」の怖いところは、自分が全く気づかないうちに、その「縁」が実は誰かに―(天城さんに?ナツメさんに?)予見されているところだ。上で引用した文章で言うと「とても暗くて神秘的な場所」が、実は自分の今後起こる不幸な運命をあやつっているのではないか、という不安。一人称「私」で書かれているので、読者は主人公に感情移入しながら読んでいくんだけど、それまで意識的に行ってきたことには実は他の誰かの意図が含まれていた、と物語の終盤で気づくのがえらい怖い。それも、嫌な予感とか気配をだんだん濃霧のように充満させながらクライマックスまで持っていくのが非常にうまいもんだから、後味悪い悪い(笑)。

「夜は~」みたいなポップ・ファンタジーも好きだが、本作のようなホラーものも是非書き続けて欲しいな、と思う。あ、本作のBGMはASTOR PIAZZOLLAの「SUITE PUNTA DEL ESTE」なんかが宜しいかと。


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  # by helterskelter2010 | 2010-03-29 01:50 | Books

最近のJr.

Tシャツの柄、BLURの「COFFEE & TV」のプロモにでてくる牛乳パック・キャラに似ているので気に入っている。
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いきいき育っております。
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  # by helterskelter2010 | 2010-03-24 11:02 | Private Life

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