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リスク分散のススメ

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ポートフォリオ理論では、相関が1未満の金融資産を組み合わせることで、リスク分散が実現できることが知られている。あるA株のみに投資するよりも、A株とは異なる動きをする(相関が低い)B株と組み合わせて投資したほうが、そのポートフォリオのリスク(=標準偏差)が小さくなる。

このファイナンス入門の基本の「キ」を、Harry Markowitzセンセーが我がシカゴ大学に在籍中、理論化した。コレが博士論文ですよ。すごすぎる。ノーベル賞も受賞しているのは周知のとおり。

要は、"Don't put all your eggs in one basket"ということ。別に株式投資をアグレッシブにやろうと思わない人にも、これは示唆的だ。例えば、大半の人にとって最大の資産である住宅という財。住宅と相関の低い財は何か?保険があるだろう。住宅が燃えてなくなると、火災保険でリターンが入る。住宅と保険はこの場合、相関がマイナスだ。
逆に、大事な財と、それとの相関がかなり高い財を両方持つことは、リスキーだ。例えば、自分の大事な給料はどうだろう。外資では良くやっているが、ストックオプションという形で報酬の一部が得られる場合がある。アレに頼りすぎるのは、リスク分散的にヤバイ。自分の給料と、自分が勤める会社の株価は相関が高いからだ。オプションが執行できる段になったら、すぐ手放したほうがいい(もちろん、市場状況を見ながら)。ベア・スターンズ、リーマンの社員オプションは悲惨なことになったのは有名だろう。古い例だとエンロンか。

教授の冗談ででたのが、「今なら独身のバンカーは、破産法専門の弁護士と結婚するのがリスク分散だ。バンカーの君達は、Chicago Law School周辺をチェックしてはどうか」。Lehman出身のヤツもいたので、下手に笑えない雰囲気。

でも夫婦の所得パターンでリスク分散、というのは確かにありえる。以前の記事でも書いたが、米国の共働き世帯では妻が夫の収入を上回ること例が増えている。稼ぎの「額」も重要だが、夫婦の稼ぎの「パターン(=リスク、期待値)」の相関が低ければ、これまたリスク分散になる。リターンは高いがリスクも高い外資に勤める妻と、リターンはまずまずだがリスクも低い(クビになりにくい)日本の大企業に勤める夫、なんてのも株式(高リスク)と国債(リスクフリー)のポートフォリオみたいにリスク分散でき、不況への耐性が強いのかもしれない。まあ、無職の俺はなにより職自体を探さないとダメなんだが・・・

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ブログ王

  by helterskelter2010 | 2009-01-23 12:14 | Study

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