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さらば希望の国エクソダス

基本、俺は悲観的なものの考え方をする人間だということは、だいぶ前から気づいている。なので、大きな決断をするときは、「これをすべきだ、するほうがいい」というよりも、「これをしないとまずい、このままだとダメになる」という「危機感」にせかされている場合が多い。

MBA留学を決めたのも、もちろん将来やりたい仕事があって、そのためにMBAが必要だと感じたのもあるが、何より「今のままだと成長カーブが寝たままだ。このままだと俺はスポイルされる」という「ヤバさ」を痛烈に感じた、その切迫感こそが、大変しんどいMBA受験を乗り切る上での強力なドライバーであったことは間違いない。逆説的だが、リスク回避的な自分は(ちと修正したいところだが)、「自分がこのままだとダメになってしまう」というリスクを回避するために、いろんな意味でリスクテイキングなMBA留学を決めた。なんだか後ろ向きな感じだが、性格なので仕方ないか。

というわけで、俺を動かしているのは「希望3割、危機感7割」というところだろうか。危機感100%だけでは心が折れるだけなので、ほんの少しの希望は持っているつもりでいる。トヨタの人たちは、限りなく「希望1割、危機感9割」で動いているんじゃねえか、と思うこともあるけど。業界リーダーでありながら、徹底した(改善意識はもちろんこと)危機意識を全社徹底させているところが、あの会社の強みでもある。長く付き合ってよく分かりました。なのでスゴイとは思うけど、しんどそうなのであまりトヨタには勤めたくはない(笑)。
他方、アントレの方たちの中には、「希望9割、危機感1割」で動いているんじゃねえか、と思う人がままいる。斜に構えてみればこれは「無謀」と紙一重なんだが、この人たちは自分の中で成功イメージが確立しているからなんだろうか、とんでもない逆境でも本当にあきらめない。ロジカルにその試みの限界を説明しても、「うん、それは分かる。でもこうしてみるとどうだろう?うまくいくんじゃないか」と、めげない。コンサルちっくに現状の問題点をつついても、彼らの目線は将来の成功にあり、その将来の成功から現在を振り返る、という思考をしているかのように見える。非常に危なっかしいと思うことも多いが、俺にはない発想法なので、素直にうらやましい。

「希望0、危機感0」になると、希望なく、危機感もマヒした状態、あきらめ、諦観の世界か。最近の日本の状況を見ていると、若い世代はそんなモードになってしまうのも分かる気もする。例えば、「オヤジだちが日本をダメにしている」系の話。以前のエントリーで紹介した、「この国を作り変えよう」はそれを認めつつ、若い世代の奮起に期待しているが、これはわれわれより上の世代から発される稀少な意見のような気もする。

「日本はもう終わっているのか・・・」てのは多くの人が気になっていることのようで、池田信夫氏のブログの「希望を捨てる勇気」はどえらい反響を呼んでいる。また、「日本はもう立ち直れない。若者は海外で留学し、そのまま現地で就職を検討すべき」という渡辺千賀氏の「海外で勉強して働こう」もなんというか非常にタイムリー。

就職戦線に大苦戦するアメリカ人たちを見て、「現地で就職かー、良さそうだけどそれもかなりしんどいよなー」と現実的には思いつつも、海外留学している身としては、「終わっている(といわれている)」日本を一度離れて、違う国・違うカルチャーの中に身をおくのはマジでためになっている。日本の悪いところと同時に良いところも再発見できるし、「アメリカでは~しているのに、日本ではまだやっていない。日本は遅れているね」的な論法の欺瞞がよりリアルに看破できるようになる、などかなりアップサイドが多いぞ。まあ、他方で正直、将来は日本以外の国で暮らすのもアリだな、と思うようになってきているけどね。経済はそんなに心配していないけど、政治面がかなり不安だなあ。今だとアンチユートピア小説が売れるかもしれませんね。

このテーマはブログの1エントリーで書き捨てるようなものではないので、引き続き今後も考え続けたいと思う。

*追記:とてつもなく優秀な友人・知人たちが日本でコトを起こし始めているのを知っているので、「若い世代の奮起」には全く絶望していません。

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ブログ王

  by helterskelter2010 | 2009-04-30 13:43 | Private Life

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