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保護されたシューカツ市場

日本最後の「国内保護産業」。そうなんだよなあ。アメリカにいると、本当に世界中から優秀な人材が、クソ面倒くさいビザの問題にstruggleしながらでもアメリカで働こうとしているのが分かる。英語がある程度できて、能力を認められれば仕事はできるのだ。MBA同期のInternational学生の友人でも、コンサルとか投資銀行の米国オフィスからオファーをもらっている奴は結構いる。超優秀な人ばかり。やっぱGSとかモルスタのNYオフィスに行けるような奴ってのは、ハンパないのですよ。

もちろん先のビザの話を含め、外国人にとってのハンデは小さくない(そういやTARP導入企業の外国人採用抑制の話はどうなったんだろう?)。それでも日本企業に入ろうとする場合の障壁(言語、文化、制度的・・・・)に比べたらたいしたことないだろう。まあそもそも日本企業に興味ある外国人は少ないし、日本企業もどこまで本気で外国人人材を登用したがっているのか?ていうのはある。でも今後、国内市場が縮小していく中、日本人であるというだけで優先的に採用される安穏とした環境は変わらざるを得ないだろう。日本人だけのプールから人材を集めた場合と、世界中の優秀な人材プールから人材を集めた場合、どちらが競争力が高いか。グローバル競争に勝ち抜くために企業は人材の多様化を進めざるを得ない。このままいく限り、国内の労働需要自体も減少していかざるをえないし、低賃金労働についても事実上、周辺アジア諸国の低賃金労働との競争圧力にさらされている。今は正社員の賃金下方硬直性がハンパなく強いけど、それもいずれは・・・

いまさらだが、アメリカでの就職活動ももっと本腰いれてやっても良かったかなーとは思う。もっとアメリカのコーポレート・カルチャーを理解できただろうし、どこででも食っていける自信をもっとつけられたかもしれない。まあその反面、こっちでシューカツするのは鬼のようにしんどいわけだが・・・。就職先の会社は、海外オフィス勤務のリクエストを飲んでくれているので、結果としては良かった。

それにしてもアメリカにいると、まあ普通に働いている人でもそんなに英語うまくない人なんてのはザラで、今俺が受けているマクロ経済学のイタリア人教授なんて、発音だけとれば俺のほうがうまいくらいだ。それでも働けるわけです。すごい乱暴だが、8割通じればOKという感覚で話していれば何とかなったりする。まあこれも職能によるので、弁護士とか営業セールストークとか話は違うかもしれないけど。俺も性格からか、何でもある程度完璧に近い状態に仕上げてから臨む、ということをしがちなのだけれど、それは時に心理的なハードルを高めすぎることにもつながる。「英語をネイティブ並に話せないと現地での仕事はできない」、てのは少なくともアメリカでは幻想で、案外言語に限ればハードルは思ったよりも高くないのだなと思った。とにかく就職できたらこっちのモンで、仕事やりながら英語はぼちぼち上達させていけばいい、という感じでしょうか。

「アメリカだと競争が激しくて大変なので、日本に戻ってもう少しゆるい環境で落ち着きたいんです」この間、ある一流米国大学の学部生(日本人)からこんなことを聞いたが、正直「ネイティブ並に英語も話せて米国のトップスクールにいるのに何てもったいない・・・」と思ってしまったよ。個人の志向や状況は異なるので独断的なことは言えないが(あるいは、海外の優秀人材が日本に回帰してくれる希少な事例なのかもしれない・・・譲歩しすぎ?)。日本企業でも競争がないわけではなく、ある意味アメリカより分かりにくい実に厄介な競争が内在していることも伝えたかったのだが、こういうのは実際働いてみないとなかなか実感を伴えないんだよねー。どうアドバイスすればよかったんだろうか。

  by helterskelter2010 | 2010-02-27 01:10 | Career

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