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「キャリア」について ―①JOB EXPERIENCE IS A STRATEGIC ASSET

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久しぶりに、キャリアについて。
俺ごときがキャリアについて能書き垂れる分際でもないし、そもそもキャリアの考え方なんて個性の数と同じくらいあるんで今更何を、という感じだ。でもこの機会に自分にとって役立ったキャリアの考え方(というかキャリア選択で考えておくといいポイント)を簡単にまとめておきたいと思った。その理由は:

1.MBA受験目指す人や同級生・後輩からキャリア相談をよくされるし、相談のたびごとにあんまり違うことを言うのもマズイ。忘れないように自分の考えをこの機にまとめておきたい。

2.前職を退職してから、1年半近くも転職のことを考えてきたし、就職活動や友人との会話で得たいろんな示唆もある。転職目指してMBAを受験される方には何がしかの役に立つかもしれない。

3.MBAで得られたことの1つとして、キャリア観をじっくり考えられた、という点がある。MBAからのtakeawayの1つとしてのせちゃえ。


なので、なんら実証分析を伴わない、自分の個人的体験をベースにした一般論でしかなく、またそれがゆえにMBA→転職というルートに特にフォーカスしている(起業目指す人には役に立たないだろう)。業種としては、MBAの古き王道、コンサル・IBを特に念頭においている。ベタですね。

また、コンサル・投資銀行・事業法人のナニナニの仕事をやりたい、そのための面接攻略法・準備方法、といったSpecificかつ超実践的な内容でもない(まあ、また別の記事で書くもしれないけど)。そういうのは個別に先輩やヘッドハンターに相談したほうが、よりアップデートされた情報をGETできるでしょう。

能書きの能書きはオワリ。

キャリア選択を考えるときに、こういうことを考えておいたほうがいいんじゃないか、というポイント3つ。3つくらいにしとかないと忘れるので。

1.Job experience is a strategic asset

実務経験は何よりのValuable Asset。
転職当たり前の外資企業(特にコンサル・IB)の方にとっては当たり前のこと。でも、俺にとってはコレは会社辞めてMBAに来て強く意識させられた点。

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(1) 実務で学んだ知識・インサイト・身のこなし方はその深さ・定着性において他に代えがたい
 MBAでもファイナンスやマーケティングはもちろん学べる。しかも授業1コマ50万円もするんだ、そこで学んだスキルに価値がないわけがなかろうか(詠嘆)!! BUT、ハードスキルだけとりだしても、授業1学期分よりもコンサル・IBでガチに1ヶ月間働いた経験のほうが下手したらディープです(アカデミックには別かもしれませんが)。授業1コマ50万円だけど、それはこっちが払って勉強しているカネ。コンサルは1本数千万円、時に億を超えるフィーをお客さんからいただいて、それに見合う対価=アウトプットを数ヶ月間で出すように求められる。パフォームできなければクビ、というおまけつき。バンカーでも同じことでしょう、別にMBAの授業の底が浅い、といっているわけではなく、カネを払って得られる価値とカネを稼ぐために自発的に捻出しなきゃいけない価値のレベルが違うというだけです。それに、MBAの授業にはハードスキル習得以外の価値がもちろんある(というかそっちの方が大きい気がする)。

(2) 実務で得たスキルはポータブル。自分の「ポータブル・スキル」を磨くために会社を選ぶのもアリ  

実務で得たスキルには、会社を辞めて他社に行っても通用するスキルがある。もうエッサホイサと「企業特殊的熟練」を何十年も磨き続けて「ありがたや」と終身雇用の汁を吸う「社畜モデル」の時代でもないので、この「ポータブル・スキル」をいかに磨いて自分の市場価値を高めるかが非常に重要だろう。機械設備等の資本ではなく、「Human Capital」を競争力源泉にする企業が存在感を増していく時代では、なおさらそうなのだろう。

投資銀行のバンカーが転職する場合、面接で必ず見られるのがその人がどれだけ案件をやってきたかだ。どれだけ有名学校を卒業して、ピカピカの投資銀行に勤めていたとしても、マトモなディール実務経験がないとまず相手にされない。実務で得たスキルがないと、現場で「使えない」からだ。きついっすね。

逆に、既に磨いた「ポータブル・スキル」を武器に、もっとでかい仕事をしてさらにスキルを磨きたい、そのためにもっと大きな仕事のとれそうな会社に移る、というのもよくある現象。それでどんどん自分の「レジュメ」をバリューアップさせていく。

米国に来ると本当にみんな転職当たり前のマインドなので、まずはコレにびっくりした(頭では分かっていたが)。しかも転職の仕方がバラエティに富んでいる。MBA同級生の友達は誰もが知っているIT大企業でスター街道走っていたが、「もっと自分のスキルで腕試ししたい」とずいぶん小さなベンチャーに移ったやつもいる。日本だと「世間様」(笑)的にはイケテないキャリア選択なのかもしれないが、少なくとも俺の周りのヤツはそういう評価はしない。中小企業→大企業、大企業→中小企業への移動など当たり前かのようだ。「どの会社」にいたかということよりも、「何を」達成したかも重視する。もちろんBLUE CHIP企業に行くヤツはなんだかんだいって羨ましがられているし(コレをなかなか顔には出しません、奴らは)、それは日本でも米国でも同じような気はするが、やはり米国のほうが転職に対する心理的抵抗感が非常に低い気がする。

スキルからやや話がそれたが、「そこでどういう実務経験が得られるか」という観点から柔軟に就職先を選び、それをジャンプ台にして次の高みを目指す、という実務経験をアセットとして戦略的に捉えるMBA同級生たちの価値観には大分感化されたし、やっぱ前職にいたままではなかなかそういうマインドセットになりにくかっただろうな、と思う。

(3) ただし、やりすぎて「修行の無限ループ」にハマるのには注意!

「ポータブル・スキル」を携えて企業を渡り歩く、てのは木刀を手にした武蔵が各地の道場を破っていくみたいで何となくカッコイイ感じがする。でも実務でスキル向上できる面ばかりを気にして、結局自分のやりたいことができないのは本末転倒。

「起業したいけど、やはりコンサルで修行をしてから」「PEやりたいけど、やはりIBでスキル磨いてから」、というのはキャリア転向組が良く考える(俺も考えた)ことだし、実際大きく間違ってもいないんだけど、気をつけないと延々と修行ばかりして目的のDREAM JOBにたどり着かない。これはサイアクだ。若いうちはともかく、俺みたいに年とってくると尚更リスキー。

たしかバフェットが言ってたか、(上記のような相談をした学生に対して)「それは、セックスを楽しみにとっておくために、老人になるまでセックスを我慢するのと同じだ」(俺のうろ覚え)と。

起業に役立つスキルも、PEに役立つスキルも、本当は起業・PEそのものをやって得るのが一番なので、「やれる機会があるなら、やったほうがいいと思うよ」と俺のMBA先輩もアドバイスしてくれた。修行のために修行をしているような状況は、避けたほうがいい。

じゃあ自分が本当にやりたいことは、どうやって選べばいいのか?そんなん大学生のうちに見つけておけよボケ!!、ということでしょうが、俺も怠け者だったのであんまり深く考えていませんでした(合掌)。バフェットは「自分が得意なことをやれ」と言います。就職活動では良く、「自分に『フィット』する仕事・会社を選べ」と良く耳にします。でも「フィット」で何なんでしょう?面接官との相性?そんなことを次の2番目、3番目のポイントで触れたいと思います。

  by helterskelter2010 | 2010-04-24 13:02 | Career

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