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投資銀行の高収入神話の終焉?

29日の日経記事によれば、米国の金融業の付加価値はこの約30年間で約8倍に膨らんだ。まさに米国経済をけん引してきた主力産業だ。米国GDPに占める金融業ととその周辺産業(法・会計・マネジメント・システム等)は、実に2割を超える。

金融業の稼ぎ頭の1つが、M&A、PE投資、そして証券化商品の売買だった。特にサブプライムローンを元にした証券化商品の儲けはでかかっただけに、それが破たんした今、次のメシの種(草刈り場?)が見つからずにいるこの状況は、金融業、はては金融業に牽引されてきた米国経済の深刻な危機といえる(ITもまだありますが)。

投資銀行っていうのは、IBD(投資銀行本部)が伝統的に偉そうにしている部分はあるにしても、利益を圧倒的に生んでいるのはセールス&トレーディング部門である。GS、MS、メリルなんでもいいからアニュアルレポートの財務数値を見ればわかる。シコシコM&Aアドバイザリを積みあげても、やっぱり自己勘定でマーケット取引したときのリターンの方が絶対的に大きい。バンカーの高収入もその事実に支えられている。

サブプライムの損失処理は収束するかもしれないが、決定的な「次のメシの種」が見つからないという意味では、問題の根は深い。投資銀行の収益構造が問われなおされている、といってもいいのかもしれない。GSががっつり儲けているプリンシパル投資というのもあったりするが、それが投資銀行の主流モデルになるのかについて判断を下すのはまだ性急だろう(政府が規制しようという動きもあるようだし)。あるいは、過去に何度も危機から甦ってきたウォール街のたくましさを踏まえれば、これは悲観的に過ぎる見方なのかもしれない。
しかーし、金融業はグローバルなビジネスなので、これは米国経済だけの問題ではないし、ましてや外資投資銀行に入ろうとしている僕の問題としては良く考えておかなければならないのだ。

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  by helterskelter2010 | 2008-07-30 12:33 | Research

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