Applied Regression Analysis
家から5分(!)のロケーション。
Advanced courseなので、基本的な統計学のレクチャーはすっ飛ばし、回帰分析をメインに扱う。
ミクロ経済学と同じで、理論の直感的な理解、本質的な理解を強く求めるので、公式を淡々と説明するようなことはしない。公式を構成するパートそれぞれの意味、グラフで見た場合の幾何的な解釈、現実問題に適用した場合のインプリケーションなど、1つの公式について非常に重層的な説明がされる。非常にためになる。
回帰分析は仕事でよく使ってはいたものの、理論の理解が深まったことで、分析結果の解釈の仕方や妥当性評価をより正確・慎重にできるようになる気がする。
教授の話も面白い。
「ある学生が私のところに相談に来た。その学生はある投資銀行での面接を終えてきたばかりだった。彼はほとんど泣きそうになっていた。
どうした?と聞くと、インタビュー相手のバンカーの質問について、あまりに激しい論戦を繰り広げ、インタビュー相手の心証を損ねたために、その銀行からのオファーをとれなかった、ということだった」
「その質問とは、『ある株Aと株Bがある。両者の価格の相関係数は0.5だ。株Aの価格が1ドル上昇した場合、株Bの価格はどうなる?』というものだった。」
「この問題を解くことができるだろうか?もちろんできない。それはもう皆、今日の授業を受けたから分かるはずだ。その学生も分かっていた。でも正直に反駁しすぎたのがまずかったかもしれない。せめて『じゃあ、株Aと株Bのボラティリティ(=標準偏差)は等しい、という風に想定されているんですよね?』と相手に聞くべきだった。これは映画『ファーゴ』のスティーブ・ブシェーミの答え方だ。」
「明らかに、そのインタビュー相手は、相関係数と回帰係数を勘違いしていたわけだ。ところで、そのインタビュー相手もMBA保持者だった。君たち、彼がどこのMBAを卒業したか分かるか?ケロッグじゃないよ。ケロッグはさすがに相関係数はちゃんと教えているはずだ。答えはウォートンだよ(ここで一同爆笑)。」
教授も生徒も、自分のいるビジネススクールがベストだと思っている(あるいは、そのように振舞う)。シカゴの場合、同じイリノイ州のケロッグをネタにすることが多いんだけど、ファイナンスで有名なウォートンを引き合いに出すとはねえ。たぶん他のスクールでは、シカゴもネタにされてたりしてるんでしょう。
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by helterskelter2010 | 2008-10-02 13:54 | Study