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LEAD ―Audience Captivation Training (ACT)

LEADはまだ続く。ミクロとか統計とか、ハードスキル系のコースが本格化する中、正直言って毎回ソフトスキルについてふんわりした議論をするLEADが少々うざくはなってきている。毎週3時間も時間をとられるし。他方、これだけはシカゴGSBで必須科目であり、逃れることはできないので、まあガリガリした他のコースの間の、気分転換として気楽に受けることにしている。そんなんじゃダメなのかもしれないけど。

今日のお題は、「Who am I as a speaker, and how can I build on this to be a more effective speaker?」。プレゼンスキルを磨く。まずは自分のスピーキング・スタイルを意識した上で、どのように変えていけばより効果的なプレゼンができるかを探る。
この、「Self awareness ⇒ Improve (or adjust, strengthen)」というステップの取り方は、これまで行ってきた他のLEADの回(Leadership, tema dynamics等)と同様であり、方法論として一貫している。

ポイントは4つ:

①Visual
プレゼンの効果は、視覚的なものによるところが多い。ある研究によれば、プレゼンから受ける印象6割弱は、視覚的な情報で占められるという。だから、見た目をちゃんと意識しましょうね、という話。身振り手振りはうまく使えば、大きな効果をもたらす。

②Vocal
声のトーン、ボリューム、ポーズの取り方も効果的だ。また、言葉の選び方も重要。ここで「セント・オブ・ウーマン」という映画でアル・パチーノが啖呵をきる場面が紹介される。メタファーの使い方、コントロールされたものの言い方(テンションをあげるべきところはきっちりあげる)など。
同じ内容でも、言い方次第で聞き手が受ける印象はがらりと変わる。
逆に、間を埋める言葉、例えば「Uh」「Well」「Kinda」「You know」「Like」なんかを連発しているスピーチは、精彩を欠くし説得力が落ちる。

③Connected
聴衆を理解すること。聴衆の特性を抑えたうえで、聴衆が共感しやすいやり方、簡単にいえば聴衆にウケるプレゼンの仕方を意識的に使う。例として紹介された、「Freakonomics(邦題:ヤバい経済学)」の著者でありシカゴ大教授のSteven Levittの講演は、まさに聴衆が誰なのか、わかっているものだった。彼は売春婦の統計についてデータを集めるため、実際にフィールドワークをしていることを真面目ぶったそぶりで話し、爆笑を誘っていた。えらい教授さんが話しそうにないことを話すという意外性、またそういうネタを喜んで聴くであろう聴衆(若い学生)を十分知った上で、Steven教授は話していた。
シカゴGSBの名物教授で、かつこのLEADの創案者であるHarry Davisは、「Self」「Subject」「Audience」がうまくかみ合っていないといけない、という言い方でこの点を強調している。
コレが一番難しいポイントかもしれない。KYはダメなのはもちろんのこと、空気を読んだ上でいかに自分を印象的に見せつけるか。日本の政治家、ここらへん全くダメな人が多いよね。

④Prepared
最後に、これは当たり前だが、しっかりと準備すること。生まれつき天才的にスピーチがうまい人とというのは、もともとそんなにいない。いやむしろ、歴史上偉大なスピーカーと評価されている人も、そのスピーチをするまでに入念な準備、練習をしている場合がほとんどだ。

キング牧師の有名な「I Have a Dream」ってスピーチもそうだし、
LEAD ―Audience Captivation Training (ACT)_b0131315_7313539.jpg

最近だとこんな人もそう。
LEAD ―Audience Captivation Training (ACT)_b0131315_733432.jpg


オバマの例で面白かったのは、彼だって準備なしでインタビューを受ければ、いつものスピーチほど明快に受け答えができるわけではない、ということ。彼があまり準備できていなかったであろうインタビューで、彼が受け答えをする前に何回「Uh」と言ったかをカウントする、という番組コーナーが紹介された。

準備ができていれば、自信を持ってスピーチできるし、緊張も少なくなる。確かに、話す内容に自信を持つことができれば、上記で述べた「Visual」とか「Vocal」に集中するための余裕ができるだろう。

こういうポイントを踏まえて、各人が自由なお題で「1分間スピーチ」をする、という演習を行った。言語で不利な面がある俺は、ここでは④の準備をたっぷりして臨んだ。面白くするために、Random Walkの時に好評だった日本のウォシュレットのすごさを売り込む、という形にしたら、これがバカ受け。「お前はAudienceをよく分かっている、でもjob interviewではやるなよ」とのフィードバック。あんた、そら当たり前でしょ。

どうでもいいけど、プレゼンのためにTOTOのウェブサイトとか、いろいろウォシュレットについて情報収集したけど、最近は技術がすごすぎ。音楽を20曲くらいから選べるとか、暖房・脱臭機能の充実化とか、10パターンくらいある洗浄方法とか、洗浄音の抑制とか、本当に同じ日本人として見ていても「細けえところ詰めているなあ」と笑ってしまうほど。こんなにすごいとは知りませんでした。

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ブログ王

  by helterskelter2010 | 2008-10-17 07:50 | Study

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